募金をするともらえるあの赤い羽根。
募金シーズンになると、アナウンサーや国会議員がつけているのをテレビで見かける機会も増えますよね。
はじめての募金は赤い羽根募金だった、という人も少なくないのではないでしょうか
どうして赤なの?そもそも何の羽根なの?なんて素朴な疑問から、赤い羽根の歴史や節税対策の仕方などなど。
赤い羽根をめぐるアレコレをお伝えします
赤い羽根共同募金とは
赤い羽根共同募金は、各都道府県にある共同募金会が行っています。
そしてその連合会の連絡網的な存在として、中央共同募金会があります。
有名な募金活動は10月1日から翌年3月31日までの6か月間で、全国一斉に行われるもの。
都道府県を単位にして行われ、集まった募金の約7割が募金は集められた地域で、残りの3割は市区町村を越えた広域での活動や災害時の備えのために使われています。
募金は子どもたち、高齢者、障がい者などを支援するさまざまな福祉活動や、災害時の支援などに役立てられます
あの東日本大震災でも、この募金がさまざまな形で活用されました
どういう支援に使われたのか、詳しくはこちらの「東日本大震災の募金はなにに使われた?震災復興支援まとめ」で!
赤い羽根の歴史
日本で赤い羽根共同募金が始まったのは、終戦直後の昭和22年。
国民のほとんどが食糧難や住宅難に直面し、苦しい生活を強いられていた時代です。
福祉施設も甚大な被害を受け、人々を支援する施設そのものも、存続が危うい状況のなか第1回目の共同募金で集められた額はおよそ6億円。
現在の価値に換算すると、1200億円に相当するそうです。
戦後復興が進むにつれ、共同募金はさまざまな分野で活用されるようになりました。
昭和30年代には地域全体の福祉を高める活動へ。
働く女性が増えた昭和50年代には、保育所へ募金額を配分。
高齢化がすすんだ昭和60年代には、デイサービスセンターなど地域の高齢者が参加する活動へ支援するなど、その時代のニーズに合った活用がなされてきました。
赤い羽根の素朴な疑問
羽の色の意味
赤い羽根は欧米で「勇気」「善い行い」という意味です
共同募金は世界中で行われていますが、赤い羽根をシンボルとしているのは日本と南アフリカだけなんです
日本で使用しているのはニワトリの羽根。
全国で5千万本の羽根を用意しているとのこと
募金をしてもらった人に渡すだけではなく、イベントで配布するなど、いろんな場面でこの赤い羽根が活用されています
羽根は一つ一つ手作業で作られていて、1つあたりの原価は2.6円という噂も
ということは1円の募金は、むしろ赤字になるんですね…
他の色はあるの?
はじまりは赤い羽根でしたが、その認知度の高さからさまざまな色の羽根をシンボルとした募金が始まりました
- 緑の募金
参考:緑の募金公式ホームページ
4,5月のみどりの月間に行われるキャンペーン
開催している公益社団法人 国土緑化推進機構によると
植樹や間伐など国内の森林整備、子どもたちへの森林環境教育や海外の緑化支援などに活用されているそうです昭和63年から始まり、2017年には21億円の募金が集まりました
- 青い羽根
青い羽根募金は、海で事故に遭遇した方々の救助を行う、団体公益社団法人日本水難救済会による募金活動です。
日々の訓練、ライフジャケットやロープ等の救助資機材の購入、救助船の燃料費などに活用されています
- 水色の羽根
こちらは漁船海難遺児育英会による活動です
漁業従事中に海難等の事故で、死亡・行方不明になった親をもつ子どもたちへの奨学金として使われます
バッジの種類
募金をすればもらえるのは羽根だけではありません
羽根ではなく、バッジやシールを配っている自治体もあるんです。
実は筆者の暮らしていた地域も、募金をすると羽根ではなくドラえもんのバッジがもらえました
今年はどんなデザインになっているのか、楽しみで募金をしていた時期もあります
そこで、今回は全国のユニークなバッジを調べました
- ひこにゃんバッジ
滋賀県彦根市のキャラクター「ひこにゃん」
500円以上寄付した人に渡しており、第1弾は配布から3日目で品切れになったという人気っぷりでした。
参考:毎日新聞公式ホームページ
- カープ坊やバッジ・ステッカー
広島県では、共同募金をすると広島東洋カープとのコラボバッジやステッカーがもらえます。
カープ坊やがバットの代わりに赤い羽根をもっているのが特徴です。
実は元カープ選手の池谷公二郎さんは、現在広島県共同募金会の会長も務めているんです。
燃える闘志を表すチームカラーの「赤」と、「勇気」「善い行い」を表す赤い羽根の見事なコラボです。
参考:広島東洋カープ公式ホームページ
- うどん県バッジ
香川県が一定額以上の募金をしてくれた人に渡しているのは、「うどん県」と書かれたうどんバッジ
平成24年から讃岐うどんをモチーフにした本県独自の「赤い羽根うどん県バッジ」を製作しています。
第一弾の「かけうどん」から始まり「ざるうどん」「年明けうどん」「エビ天うどん」「釜揚げうどん」平成29年は「釜玉うどん」だったそう。
今年は何うどんなのか楽しみですね。
参考:産経WEST公式ホームページ
募金が使い道が決まるまで
寄付金は年度末までにすべて配分することが「社会福祉法」によって義務付けられています。
また、寄付金は公正・公平に配分しなくてはならないため、厳格なルールが定められています。
神奈川県のケースを見てみましょう
4月中旬~6月末
福祉団体からの配分申請を受付
10月~12月
募金あつめ
11月~翌年2月
配分委員会で、配分先を審査
3月
理事会で配分の決定
4月
福祉団体に配分
参考:社会福祉法人神奈川共同募金会ホームページ
寄付金は
- 高齢者サロンの運営
- 点訳ボランティアといった草の根のボランティア活動費用
- 障がい者の共同作業所の車両整備
- 社会福祉施設の改修
- 地域の防犯
などさまざまな活動に使われます。
募金の仕方
クレジットカードで募金
WEBからクレジットカードを使って募金することができます
募金額は2,000~100,000円。
寄付したい市町村を全国から選択でき、寄付の使い道もお年寄り、障がい者、こども、NPO、おまかせと選ぶことができます
また、買い物をすると、 利用額の一定割合(0.3~0.5%)をカード会社が寄付する「赤い羽根クレジットカード」というのもあるんです
毎年1回、あらかじめ指定した額をカードから自動的に寄付することもできるので、定期的に寄付をしたい人にはおすすめです
グッズで募金
購入代金の一部を赤い羽根共同募金に寄付できる「寄付つき商品」もあります。
クオカードやボールペンなど、ちょっとしたプレゼントに使えますね
覚えておきたい寄付金控除
所得税の控除には、配偶者控除、勤労学生控除などがありますが、実は「寄付金控除」というのもあるんです。
地方公共団体、認定NPO法人、社会福祉法人などに寄付をした場合、確定申告をすると、所得税をおさえることができるんです。
赤い羽根共同募金を受け付けている共同募金会は、社会福祉法人にあたるため、生均衡所の対象となります
寄付による節税の方法は、こちらの「寄付で節税!?お金が帰ってくる!寄付金控除のしくみ」の記事で確認してください
まとめ
いかがでしたでしょうか
赤い羽根共同募金は、意外と古くからあることが分かりました。
さらに最近は羽根だけではなく、プロ野球チームとのコラボやご当地色の強いものなど、ユニークな取り組みもありましたね
あなたが募金をしたと表明すれば、きっと共感してくれる人も増えるはず。
できる範囲で募金をして、支援の輪をどんどん広げていきましょう!
関連記事
阪神淡路大震災は「ボランティア元年」、東日本大震災は「寄付元年」と言われています。
日本ファンドレイジング協会の「寄付白書2017」によると、日本における個人寄付の総額は2010年で4874億円。
震災のあった2011年には10182億円と2倍以上に跳ね上がりました。
この膨大な寄付金、一体どんなことにつかわれたのでしょうか?
美味しいものを食べたり、飲み物を買ったり、新しい服を買ったり。
普段の生活を送るだけで社会貢献になる、お互いハッピーな寄付があるんです。
ここでは、買い物を通じて活動を応援する方法をご紹介いたします。
なにか社会貢献したい!寄付したい!とは言っても、正直自分の生活でいっぱいいっぱい…
でもそんなあなたに朗報!
実は捨ててしまうものや、意外なもので寄付もできちゃうんです。