オランダトップ3企業の寄付先・CSR活動について徹底調査

オランダトップ3企業の寄付先・CSR活動について徹底調査

オランダの寄付市場を調べるためにオランダで最も大きい会社3社が、どこに、どのように、どれくらいの規模で寄付活動をしているかを調べてまとめました。

「寄付活動」と一口にいっても多種多様。
金銭的な寄付だったり、労働力だったり物資的だったり知識の寄付だったりと様々あります。

そのため、オランダのなかでパワーのある3大会社の寄付活動を知ることは、オランダの寄付市場で何が重要視されているのかそのものを知るためにも大切です。

オランダってどんな国?

アイキャッチ-オランダ企業寄付

オランダはヨーロッパの東部に位置する約41,864平方キロメートル、日本の九州位の大きさの小さな国です。
風車やチューリップが象徴的でもあります。

小さい国ではありますがアメリカに次ぐ農業輸出国であることでも有名です。
一年中日照時間は短く気温も低いため、農業にはあまり向いていません。
しかし、コンピューターで農業をコントロールする最新技術を導入することによって少ない労働力と土地で沢山作ることに成功しました。

そんなオランダの2017年、年間年収トップ3の企業は
1位:ロイヤル・ダッチ・シェル(Royal Dutch Shell Company)
2位:イング銀行(ING bank Internationale Nederlanden Group)
3位:ユニリーバ(Unilever)
となっています。

この記事では、3つの企業が行っている社会貢献活動に着目していきます。

参考:
外務省「オランダ王国(Kingdom of the Netherlands)基礎データ」2019年8月19日閲覧
マイナビ農業「世界のハイテク農業NOW! ~オランダ編~」2019年8月19日閲覧
DutchNews.nl「Banks, bulbs, beer and oil: The 10 largest Dutch companies」2019年8月19日閲覧

ロイヤル・ダッチ・シェル(Royal Dutch Shell Company)

オランダの年間年収第1位のロイヤル・ダッチ・シェル(Royal Dutch Shell Company)は、ヨーロッパ最大、世界5位の規模の大きさを記録しています。

ロイヤル・ダッチ・シェル(Royal Dutch Shell Company)は、1907年に設立されたオイルやガス、低炭素エネルギーなどを扱っている企業です。
ロイヤル・ダッチ・シェルのホームページによると、2019年8月現在全体の社員数は86,000人。70ヶ国以上に規模を広げています。

2018年の年間売り上げは約388.4億ドルを超え、そのうち約11,300万ドルを社会貢献費に投じました。
その中の4,700ドルが社会的な目的に使われ、残りの6,600万ドルが環境保全のための企画に投じられました。
さらにロイヤル・ダッチ・シェルは、 国際自然保護連合(IUCN)、ザ・ネイチャー・コンサーヴァンシー(The nature conservancy)、アースウォッチ(Earthwatch)などの非営利法人とも、グローバルパートナーを組んでいます。

干ばつを救い、生活向上を

ロイヤル・ダッチ・シェルでは、人道援助NGOメルシー・コープス(Mercy Corps)をはじめとする、いくつかの非営利法人と一緒に、プロジェクトに取り組んでいます。
このプロジェクトは、2016年からソマリア連邦共和国で発生している干ばつによって苦しくなった現地住民の生活を向上させることを目的にしています。

プロジェクトでは、きれいな水、衛生設備、食品パッケージを提供。
これにより、劣悪な生活環境を改善し、コレラや下痢などの病気を、減らすことに成功しました。

中国の農業の技術向上を

ロイヤル・ダッチ・シェルの2つ目のプロジェクトは、2014年から中華人民共和国で行われているプロジェクト。
2年にわたって農業の技術向上を目的としたアドバイスプログラムを行いました。
プロジェクトを行った結果、四川省のとある農家はオンライン販売の技術を取得し、収入をプロジェクト前の2倍以上にすることに成功しました。

1998年から続いている、国際環境NGOEarthwatchとのプロジェクトでは、経験を積んだ自社の職員を送り、社員教育を兼ねて地球の状態を調べる活動をしています。
これによりロイヤル・ダッチ・シェルlで積み重ねた経験と知識を、Earthwatchで活動する方々と、情報共有、技術共有ができるようになりました。

さらにロイヤル・ダッチ・シェルでは、プロジェクトの結果に基づいて、似たような研究を行っている研究所やリサーチ施設へ資金提供などの支援を行っています。
ロイヤル・ダッチ・シェルは地球の状態をリサーチしたり、地球温暖化のために変わってしまった生活環境を改善するための支援をしたりと、地球規模のコミュニティを支える努力をしているのです。

参考:
Royal Dutch Shell Company「Who we are」2019年8月19日閲覧
Royal Dutch Shell Company「Environmental and social partners」2019年8月19日閲覧
Royal Dutch Shell Company「Farming for future generations」2019年8月19日閲覧

ING銀行

オランダ企業の年間年収2位はING銀行。
オランダの王族のシンボルであるオレンジ色と、ライオンのデザインで有名な銀行です。

ING銀行は様々な国で銀行やファイナンシャルサポートを行っている企業で、1991年に創業をはじめて以降、規模の拡大を続けています。
ING銀行が発行しているパンフレットによると、2018年末時点の職員数は54,000人。
顧客数は、38.4百万人を越えるとか。

ING銀行による社会貢献は、大きく分けて「環境保全」「教育支援」があります。

ING銀行の環境保全活動

ING銀行はホームページからも見て取れるように、環境保全に力を入れています。
パリ条約を受けてから、炭素の使用を少なくした社会を目指していることを大々的に掲げています。

2007年に制定したING銀行3つの目標では

  • 2020年までにすべてのING銀行の建物を再生可能電源にすること
  • 2014年から2020年にかけて二酸化炭素の使用量を半分にすること
  • 20%のごみ削減をおこなうこと

をゴールとしています。

またING銀行では、企業が環境配慮のために銀行でローンを組むとき、金利(レート)を下げる取り組みを行っています。

UNICEFと協力「Power for Youth」プログラム

ING銀行では2005年から、UNICEFと協力し「Power for Youth」プログラムを行っています。
この企画は10~19歳の発展途上国に住む子ども達に向けたもの。
金銭的理由によって社会的または学力的に向上できない子どもを、金銭面と物資面でサポートするものです。
現在はコソボ共和国、モンテネグロ共和国、フィリピン、ベトナム、中国で実施されており、21世紀を生き抜くために必要な力(クリティカルシンキング、リーダーシップ、コラボレーションスキルズなど)を育てる教育を行っています。

ING銀行はなぜ、子ども達の支援をするのでしょうか?
それは、職が見つからなくなってからの援護では遅いからだそう。
子どもの時点から、支援をすることで、貧困のサイクルから抜け出させることができるはず。
そう、ING銀行とUNICEFは信じています。

参考:
ING銀行「ING at a glance」2019年8月19日閲覧
ING銀行「Sustainable business」2019年8月19日閲覧
ING銀行「ING and UNICEF」2019年8月19日閲覧

ユニリーバ( Unilever)

オランダ企業の年間年収3位はLiptonやDoveなどで日本でも親しみのあるユニリーバ( Unilever)です。
ユニリーバ( Unilever)は一日に約25 億人が、製品を使っているといわれています。
トイレタリー製品製作販売会社であるユニリーバ( Unilever)はアングロ=ダッチ会社で1929年に誕生しました。

かつてユニリーバ( Unilever)は、オランダのマーガリン会社とイギリスの石鹸会社と、別々の会社として存在していました。
現在は双方の国に本部をおいた形で運営が行われ、2018年の売上高は510憶ユーロ。
約161,000人がユニリーバ( Unilever)で働いています。
管理職の40%を女性が占めていて、2018年には50の国で働きたい企業No1に選ばれました。

そんなユニリーバ(Unilever)は、持続可能な社会や環境保全に力を入れています。
特に「ユニリーバ基金」では、持続可能な社会を実現するためにユニセフ、国連WFP、オックスファム(Oxfam)やセーブ・ザ・チルドレン(Save the children)などの5つのグローバルパートナーと連携した社会貢献企画を行っています。

セーブ・ザ・チルドレン(Save the children)との共同企画「Every one」

イギリスで設立された、子どもの権利保護を目的として活動するセーブ・ザ・チルドレン(Save the children)との共同企画「Every one」では約20億円の予算がかけられました。
「Every one」では5歳未満の子どもを支援することを目的とし、でワクチンなどの医療支援や衛星・栄養プログラムが行われました。
これらの企画は、バングラデシュ、中国、ケニア、ナイジェリア、パキスタンイスラムの5つの国で実施されました。
さらに「Every one」では現地での活動のみならず、厳しい環境に置かれている子どもたちについての認知度を上げるためのキャンペーン活動を行ったりもしています。

国連WFPとの共同企画「ゼロ・ハンガー・チャレンジ」

ユニリーバ(Unilever)は国連WFPと連携し、世界の飢餓により苦しむ人々が少なくなるように「ゼロ・ハンガー・チャレンジ」プロジェクトを支援しています。
「ゼロ・ハンガー・チャレンジ」へは、2007年から約30億3,300万円以上投資されました。

子どもの頃に必要な栄養が不足すると、大人になっても病気にかかりやすくなってしまいます。
そのため、大切なのは「持続可能な食のサイクル」を考えること。
「ゼロ・ハンガー・チャレンジ」では、妊産婦や子どもを中心として、栄養失調にならないための支援をすることを進めています。
また「ゼロ・ハンガー・チャレンジ」では小規模な農家の支援をして、食料問題自体にも、フォーカスしています。

参考:
Unilever「About Unilever」2019年8月19日閲覧
Unilever「Our history」2019年8月19日閲覧
Unilever「国連WFP:飢餓をなくす」2019年8月19日閲覧

オランダ企業の寄付 まとめ

以上、オランダのトップ3の企業が行っている社会貢献活動・寄付について見てみました。
3つの企業の事例を調べてみて分かったことは、オランダの企業はオランダ国内の活動よりも海外の活動に力を入れているということです。

オランダのトップ3の企業はいずれもグローバルに展開する企業であり、オランダ国内でのみ経済活動を行っているわけでばありません。
だからこそ、世界中の問題にフォーカスすることができるのです。
世界の貧困を無視するのではなく、解決するべきという体制をとっていることも伺えました。
また、国外での活動は、国内での活動よりも規模が大きいため、莫大な資金を要するのも、トップ企業だからこそできることなのでしょう。

そして興味深いことに3社はいずれも、環境問題に力を入れていました。
地球温暖化を無視できない事実としてとらえ、そこでどのように経済活動を続けることが出来るのか考えていることが分かります。
寄付するだけでなく、会社の中でどのようにエネルギー使用を工夫するかを考えている企業もありました。
会社のエネルギー効率を上げるために非営利法人と協力する例もあり、環境問題が会社とコミュニティーを結び付けるきっかけになっていることも伺えました。

Wrriten by きふる編集部インターン

 

 

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