部屋も心もスッキリ!衣類や雑貨で途上国と障害者を支援|古着deワクチン

部屋も心もスッキリ!衣類や雑貨で途上国と障害者を支援|古着deワクチン

着なくなった洋服はどうしていますか?
リサイクルショップやフリマアプリで売ったり、知り合いに譲ったり、燃えるゴミに出したり……?
捨てられない服がクローゼットからあふれだして部屋中服だらけ!という方も少なくないのではないでしょうか。

今回お話を伺ったのは、日本リユースシステム株式会社の今野優子(こんのゆうこ)さん。
古着を送るだけで、途上国にポリオワクチンを寄付することができる「古着deワクチン」について、お伺いしてきました。

古着deワクチン-今井さん

今野さんと、支援先のブータンの子どもたち

※本記事にてご紹介しております「古着deワクチン」は、きふる運営とは別の企業様になります。
詳細は、各企業様の公式ページにてご確認ください。

古着deワクチンとはどんな仕組み?

 

えってぃー
えってぃー

古着deワクチンとはどういうものですか?

今野さん(以下今野):古着deワクチンは、気持ちよくお片付けができるようにと衣類、靴、カバンなどの服飾雑貨の専用回収キットを販売しています。
キットを購入していただくと、「認定NPO法人 世界の子どもにワクチンを 日本委員会(JCV)」さんを通して、ポリオワクチンが寄付されます。

回収キットに衣類等を詰めた後は、宅配業者に集荷の依頼をしていただくと、お片づけ終了です。
送っていただいた衣類等は、主に開発途上国で再利用されます。
キットの封入作業は東京都国立市にある福祉作業所「天成舎」さんにお願いをしているので、国内の障がい者雇用に結びついています 。

捨てるのは罪悪感があるとか、なにかしらの理由で片づけられない衣類が、家の中にはたくさん眠っています。

例えば「いつか痩せたときに着よう」と捨てないでおいたり、子供服や亡くなった方の服には思い出が詰まっていたりしますよね。
そうやってタンスの肥やしになっているものってたくさんありますよね。
それに、リサイクルショップではすべて買い取ってくれるわけではありません。

 

えってぃー
えってぃー

思い入れのある服の買取金額が安かったり、処分されてしまうとなるとショックですよね

 

えってぃー
えってぃー

古着deワクチンを利用する人は、必ずしも途上国や障がい者の支援がしたいという人ではないのでしょうか?

今野:そうですね。
もちろんそれを目的としている方もいらっしゃいますが。

リサイクルショップに持っていくとか、フリマアプリに出すのが手間だという方が、簡単だからという理由で使っていらっしゃる方もいます。
荷物を詰めてヤマト運輸 に集荷してもらうだけで済むので、大荷物を持って外に出かけるのは大変だという子育て中の方からお年寄りの方まで、幅広い年代の方から活用いただいています。

企業様のケースだと、社員やご家族から社内活動として衣類を集めたり 、古いユニフォームをまとめて送ったりしているようですね。
CSR活動の一環としても活用されています。

みなさんそれぞれ理由があって、古着deワクチンを使用していただいています。

 

えってぃー
えってぃー

そもそも古着deワクチンはどのようにして生まれたのでしょうか?

今野:日本リユースシステム株式会社は、もともとリユース事業をしている会社でした。
国内外の不要なものをゴミにせずいかに生かしていくか?」に取り組んでいて、屋号にも「捨てさせない屋」とあります。

日本で食品のつぎに多く捨てられているものが衣類です。
そのうち半分は家庭から出るものとされています。
日本だと捨てられてしまうけれど、海外ではまだまだ使えるものがたくさんあります。

本来であれば捨てられてしまう衣類を、どうにかして活かせないか。
どうやって家庭から捨ててしまうものを集めるかを考えて、古着deワクチンがうまれました。

捨てると罪悪感があるし、でもリサイクルショップで値踏みされるのも嫌だしというモヤモヤを気持ちよく解決できる。
そして自分がしたことが社会にとって良いことにつながる、というあまり大げさではない感じが、日本人に合っていたんでしょうね。

 

えってぃー
えってぃー

いかに一般家庭から捨ててしまう服を集めるかが、一番はじめに考えたことだったんですね。

寄付ではなく販売する理由は?

今野:古着deワクチンのキットに詰めて送っていただいた衣類は、海外で「販売」という形をとっています。
現地にビジネスをつくり出すことで、雇用機会の創出をしているんです。

 

えってぃー
えってぃー

販売の形をとることで、海外の就労支援にもなるんですね

古着deワクチン-店舗古着を販売している店舗

今野:難民の方など、場合によっては寄付が必要なこともあります。
しかし、開発途上国であってもある程度の日常生活は成り立っているので、ただ服を寄付するよりも、現地でビジネスがうまれたほうが意味があると思っています。

それに、古着を海外に送るにも送料や手間がかかってくるので。
古着deワクチンの継続のためにも「販売」という形をとっています。

 

えってぃー
えってぃー

古着を集めてからの流れを教えてください

今野:はじめに、日本で集めた古着をインド等に送ります。
古着は約170種類に細かく分類をします。
分類する作業は日本ではなくインド等で行うことで、現地で雇用を生み出しています 。

そこからカンボジアやラオスといった、国々に運び、現地でスタッフが販売します。
もちろんお店の運営や販売スタッフは現地の人たちです。

ただ服を寄付するのではなく「安く販売することでビジネスをうむ」というのがキーになります。

 

えってぃー
えってぃー

ただ服を与えるだけだと、そこからどうすればいいのかわからなくなってしまいます。お金や店舗の管理などの能力はほかの分野でも活かされるはずです

今野:始めたころは古着deワクチンの仕組みを説明しても、なかなか理解が得られなかったようです。
一般的に、服を処分するときはリサイクルショップに持ち込んで、少しではありますがお金を得ます。
でもうちは逆で、キットを購入してもらいます。つまり、手放す側が負担をするんです。
これがなかなか理解されなかったんです。

 

えってぃー
えってぃー

たしかに処分する側が負担するというのは、これまでとは真逆のシステムですから、やはり理解されるのは難しかったでしょうね。

今野:古着を海外に送るのにも、どうしても費用がかかってきます。
ワクチンをおくり、古着等を海外で販売するためのシステムを維持するために、お客様に負担していただくことが必要になってきます。

それでも、ただ捨てるのではなく、誰かの役に立つことができるという心の満足感が評価されて、購入していただいています。

 

えってぃー
えってぃー

古着deワクチンを継続するためには必要なことなのですね。

海外の古着事情 「Used in JAPAN」という一種のステータス

 

えってぃー
えってぃー

古着というと抵抗のある方もいらっしゃるかと思うのですが、海外だとどうなんでしょう?

今野:日本で着られている服は比較的質がいいので、「Used in JAPAN」という一種のステータスになっているんです。

いま日本で着られている服のほとんどが、中国やカンボジア、ベトナムで作られています。
実は日本用の商品として特別に作られているんです。
日本用の商品は生地や縫製の質がいいので、自分たちの国で売っている新品よりも、日本の中古のほうが質がいいんですって。

日本の古着は「Used in JAPAN」として重宝されています。
わたしたちの店舗以外にも、日本の中古品を扱っているお店はたくさんありますよ。

 

えってぃー
えってぃー

メイドインカンボジアの服が日本で着られて、またカンボジアに戻っていくなんてことも起こりうるんですね。なんだか不思議な話です。

 

えってぃー
えってぃー

回収できる衣類に「記名してあっても大丈夫」とあったのですが、本当に大丈夫なんでしょうか?

今野:大丈夫ですよ。
日本のリサイクルショップだと、記名されているものは買い取ってもらえません。
けれど、海外だと名前が書いてあってもそんなに気にしない、という人が多くいます。

会社のユニフォームで「〇〇製作所」みたいに社名が刺繍してあるものがよくありますね。
「国内で社名の入ったユニフォームを着られると困るけど、海外だったら別にいいよ」という会社さんもいらっしゃるんです。

 

えってぃー
えってぃー

たしかに社名が書いてあっても日本語がわからなければロゴみたいなものですしね。むしろそれがかっこいいとなるのかも

古着deワクチンに関わる人たち

 

えってぃー
えってぃー

海外支援ひとつとっても、支援先はいくつもあるかと思うのですが、その中で「認定NPO法人 世界の子どもにワクチンを 日本委員会(JCV)」さんを選んだ理由はなんですか?

今野:世の中には活動内容や支援先が不明確な団体さんもいらっしゃいますが、わたしたちはお客様から古着を預かる以上、支援先についてきちんと説明できなければいけないと考えています。

また、毎年支援している国々に支援活動として訪れて、実際にどのように寄付が活用されているかを現地で見ています。
その内容をお客様にご報告することも、とても大切にしています。

「JCV」さんは長年活動されていらっしゃること、そしてワクチンを寄付するというわかりやすい活動であることが決め手でした 。

 

えってぃー
えってぃー

どのように役に立ったのか?本当に役に立ったのか?は送った側も気になりますよね

今野:そうですね。
古着deワクチンでは4つの国を支援していて、専用回収キット1個ご購入いただくと 5人分のワクチンになる、と数値ではっきりと示しています。
片付けたいという理由で古着deワクチンを利用される方も多いのですが、もちろん社会にいいことをしたいという方もいらっしゃるのでそこは誠実に向き合っています。

 

えってぃー
えってぃー

他にはどのような方々がかかわっているのでしょうか?

今野:2017年9月から、国立市にある福祉作業所「天成舎」さんにキットの封入作業をお願いしています。
それまではリクルートの通販のロジスティクス(物流)にのせていただく形で、古着deワクチンを販売していました。
当初は封入作業や発送作業はリクルートさんにお任せしていたのですが、2017年にリクルートさんが通販事業を撤退してから仕組みを大きく変えました。

そのときから、福祉作業所「天成舎」さんと一緒に事業をすすめています。
いまでは古着deワクチンのシステムを運営していくうえで、「天成舎」さんは欠かせない存在になっています。

古着deワクチン-天成舎キットの封入作業を行っている福祉作業所「天成舎」

 

えってぃー
えってぃー

古着を送るというひとつのアクションで、海外支援と障がい者の就労支援という2つにアプローチできるのは、素晴らしい仕組みですね。

今野さんはどのようにして関わることになったのでしょうか?

今野:わたしはリクルートさんが通販事業を撤退し、自社で直販できるシステムを作っていくとなったとき、立ち上げ要員として声がかかりました。
まず自分たちで通販サイトを立ち上げるところから始める必要があったので、大変でしたね。

それまでわたしは航空会社で接客業をしていて、まったく別の業界にいました。
古着deワクチンの仕組みを知ったとき、リユース品を集めることで海外や日本の支援になるのかと、目から鱗のことばかりでした。
それに関わることができるのならおもしろいな、というのが転職を決めた理由です。

 

えってぃー
えってぃー

古着deワクチンに関わってから、自分の中で変わったことはありますか?

今野:前職でもお客様との関わる機会は多くあったのですが、今はそれ以上に人との関わりを意識するようになりましたね。
ご利用になるお客様はもちろんですが、「天成舎」さんや「JCV」さんなど、たくさんの方々がいらっしゃってこそ成り立つ事業ですので、関わる人たちとの関係性づくりが大切だと常に感じています。

「捨てさせない屋」であるために。あらゆるものに価値をつける

今野:家庭から古着を集める古着deワクチンのほかにも、いくつか事業があります。
例えば、企業から不用品を集める事業として「闇市」があります。

アパレル会社では、売れ残った服の在庫をどこも抱えています。
ディスカウントショップに回すと、ブランドイメージが下がってしまう。
かといってずっと倉庫に置いていてもコストになってしまうので、廃棄せざるを得ません。

日本リユースシステム株式会社では、売れ残ってしまった不用品を引き取っています。
国内で再利用することもありますし、「日本じゃなくてもじゃなくて海外で販売するのであれば、ブランドイメージは下がらないから大丈夫」という会社も中にはありますので、引き取ったものをまた海外で再利用するんです。

 

えってぃー
えってぃー

「闇市」って事業名にびっくりしたんですが、そういう事業だったんですね。廃棄処分なんてもったいないですね。

今野:ほかにも国をまたいだ中古品の販売をしています。
海外ではゴミだとしても日本ではアンティークとされ価値のつくもの、またその逆もあります。
国をまたげばお宝になるものが、実はたくさんあるんです。

日本リユースシステム株式会社は海外に駐在員がおりますので、そういった価値のあるものを探してもらっています。

 

えってぃー
えってぃー

世界レベルでのリユースですね。たしかに物の価値観って文化によって異なりますからね

今野:あとはお針子倶楽部
古着deワクチンをしていると、着物が送られてくることがたまにあります。
中には質の良い着物もたくさんあります。
その送られてきた着物を、ポーチやトートバッグ、ファイルといったものに変えています。

「着物はもう着ないし傷んできた。けれど高かったから捨てられない……」という声をよくきくんです。
そのままダメになってしまう着物が、日本には40兆円分あるとされています。

着物が着る文化がなくなっていくと、着物の職人さんもいなくなってしまう。
日本の文化が失われていくんです。
日本の文化である着物を残すために、価値を改めて付与することができれば、と取り組んでいます。

 

えってぃー
えってぃー

たしかに和装や日本文化が好きでも、なかなか仕事で着物を着ていくことはできませんが、いただいたファイルのような小物であれば普段使いができますね

 

えってぃー
えってぃー

リメイクはどういう方がされているんですか?

今野:リメイクには主にカンボジア で行っています。
日本のNPOが経営している工場があって、そこで作ってもらっています。

もちろん日本にもお針子さんがいらっしゃいます。
子育てや介護、病気といった理由で働くことが出来ない方々が多いようですね。
外で働くことが難しくても、縫製が得意な方にはお針子として働いていただいています。

 

えってぃー
えってぃー

古着deワクチンだけでなくお針子倶楽部でも、国内と海外両方の支援になっていたんですね。

古着deワクチンのこれから

 

えってぃー
えってぃー

古着deワクチンは今後どういう風になってもらいたいですか?

今野:古着deワクチンはポリオ(急性灰白髄炎)がなくなることを目標にしています。
支援の輪が広がって、世界中からポリオが撲滅したときが、古着deワクチンが終わりのときですね。

古着deワクチン-こどもポリオワクチンを接種する子ども

今野:いま世界中の病気の中で、ワクチンで撲滅できた病気は1つしかないんです。
ほとんどの国でポリオフリー宣言が出されていて、ポリオはかなり撲滅に近い病気とされています。
日本もかつてはポリオワクチンを接種していた国の一つでした。

ポリオがすべての国で必要なくなったとき、古着deワクチンは終わります。
そうなったらまた他の課題解決に取り組んでいくんだと思います。

 

えってぃー
えってぃー

古着deワクチンがなくなる日も近いのかもしれませんね。ぜひ今後も応援しています。

 

きふるへの取材依頼

きふるでは、より良い社会を作るために尽力する人々の頭の中を分解していきます。

なぜその課題に向き合おうと思ったのか、なぜ寄付をするのかといった「想い」を伝え、共感を生み、支援の輪を広げていく。

 

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