この記事はnoteより、
原作者:ダッチさんの記事の紹介しております。
僕は寄付を集めるためのWEBサービスを運営している。
僕がいつも考えているのが「日本に寄付を根付かせるにはどうすればいいか」というテーマだ。
寄付を集めるためのサービスを考える上で、最初に考えるべきことが、「評価を前提とした寄付(寄付した人間が何かしらの目に見える形で得をする)」サービスを設計すべきなのか、「評価を前提としない寄付(寄付した人間に目に見える形で何の見返りもない)」サービスを設計すべきなのか、 ということだと思っている。
評価を前提とした寄付
評価を前提とした寄付は、中国のアリババグループが運用している「芝麻信用」の例がわかりやすいと思う。
芝麻信用とは何か。
芝麻信用(ジーマしんよう、セサミ・クレジット)は中国アリババグループの関連企業アント・フィナンシャルサービスグループが開発した個人信用評価システム。
スコアを集計するためにアリババのサービスからのデータを利用する。
顧客はソーシャルメディアでの言動やアリババグループのウェブサイトでの購入または関連企業のアント・フィナンシャルのアリペイのモバイルウォレットを使った支払いに基づく様々な要素に基づきスコアを受け取る。
高スコアを得ることへの報酬として、アント・フィナンシャルからローンを受けやすくなったりアリババグループ内の電子商取引サイトにおいてより信頼できるプロフィールをもつことができたりする。
そんな芝麻信用だが、スコア分析に使うデータの一つに「社会のために寄付をしているか」が含まれている。
これは言い換えると中国ではスコアを上げる手段としての「寄付」が確立されている、ということだと思う。
これはわかりやすい「評価を前提とした寄付」と言ってもいいだろう。
評価を前提としない寄付
これは「隠匿の美」、つまり「すべてを見せないことが美しい」という考え方に基づいた寄付だ。
タイガーマスク運動なんてわかりやすいと思う。(そのやり方はさておき)
タイガーマスク運動とは何か。
タイガーマスク運動(タイガーマスクうんどう)とは、2010年12月25日の一児童相談所における事例以降、日本各地で確認されている連鎖的な寄付行為の通称である。
タイガーマスク現象ともいう。
一連の寄付行為は、その多くがプロレス漫画『タイガーマスク』の主人公「伊達直人」など架空の名義による匿名のもので、寄付先はおもに児童福祉関連施設となっている。
のちにこのタイガーマスク本人は名乗りを上げ、正体が明かされることになる。
人は多様で正解はないからこそ、手段としての多様な寄付サービスが必要
寄付に対する考え方は人それぞれだし、何が正解という話ではないと思う。
人は多様で正解はないからこそ、手段としての多様な寄付サービスがあるべきだとも思う。
ただ、、、金太郎飴的なサービスが多い気がしている。
だからこそ、自分たちのビジョンに基づいた「オリジナルなサービス」を展開していく必要があるのではないだろうか。
寄付者一人ひとりが、自らの寄付のスタイルに相応しいと思えるサービスを選び、使えるように。
損得抜きの行動が減ってはいないか
いろいろ書いてきたけれど、僕は世の中から「損得抜きの非合理な行動をとる経験」が減っていっているような気がしている。
費用対効果の高さにばかり目線が行き、自分や自分の家族以外の人やコミュニティに対して、想像する時間が減っていっているような。
またRPA、AIによる合理化の加速。
利便性はどんどん高まり、何事も効率化されていく。
ゴールを設定したら、そこまでの最短距離を走るような。
損得勘定を数え、得することのみを選択し続けることで「遠回りすることを避けている」ように思えている。
遠回りすることの重要性
遠回りすることは本当に悪なのだろうか。
僕はそうは思わない。
自分の人生を振り返ると、設定したゴールに向かうために全力で走ってきたのは間違いないけれど、 結果的には遠回りの連続だった。
でもよく考えてみると、遠回りした中で経験し学んだことや、そこで出会った人が今のサービスを創る上で大きな意味を持っていたことに気づく。
いつかnoteにしたいとも思うけれど、そこで出会った仲間に助けられた経験、支えられた言葉は本当に沢山ある。
合理的でないもの、損する行動が軽視されがちな世の中だけど、(少し大げさにいうと)「大義のために損するように見える行動をした結果」、心を動かされるような出来事を経験することに繋がっているような気もする。
誰の評価も気にしない寄付サービス
上述の「評価を前提とした寄付」もいいかもしれないけれど。
はたから見りゃそりゃ馬鹿だと思われながらも目の前に困っている人がいたら、損得勘定を数えずに支援するような生き方をするのも、それはそれでありだと思う。
ダッチさんプロフィール
SIer企業に勤務しながら、寄付を集めるためのWEBサービスをステルスで運営しています。「倦まず弛まず屈せず」をテーマに毎日必死です。
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