東京オリンピック誘致をきっかけに「おもてなし」が今注目を浴びています。
他者のために心遣いをする、という日本人の優しい気持ちが、改めて取り上げられました。
しかし、日本は本当に優しい国なのでしょうか?
世界で一番優しい国は一体どこなのでしょうか?
イギリスの慈善団体「Charities Aid Foundation」が行った世界寄付指数に関するデータから、「世界で一番優しい国」を見ていきましょう。
調査について
139カ国の146,000人以上の人々からのアンケートを実施。
そこでは、
・寄付金の額
・ボランティアへの参加
・見知らぬ人を助ける
の3つの項目で、他者への寛大さを測定しました。
ランキング紹介
10位
オランダ
10位はオランダ。ヨーロッパ北西部にある、運河やチューリップ、風車が有名な国です。
「アンネの日記」で知られる、ユダヤ人のアンネ・フランクが身を隠していた家も、有名な観光スポット。
2016年から順位が3つ上がっています。
人口の半分が、寄付金の額、ボランティアへの参加、見知らぬ人を助けるのうちどれか1つには参加したことがあると回答しています。
9位
アラブ首長国連邦
アラブ首長国連邦は、7つの首長国からなる連邦国家です。
ここでは「見知らぬ人を助ける」という人の割合が高く出ています。
その割合はなんと71%。
イスラム教徒の休暇であるラマダンには、多くの人がボランティアイベントに参加することが、理由として挙げられます。
8位
アイルランド
北欧諸国はトップ10にはいっていませんが、アイルランドが唯一のランクインです。
アイルランドは
・寄付金の額
・ボランティアへの参加
・見知らぬ人を助ける
のいずれかが抜き出ているのではなく、いずれの項目も、高い水準で安定しています。
7位
カナダ
カナダはG20の加入国であり、G7のであったころからの加入国です。
そして20位にランクインしているのは、G20国のうち6国のみ。
カナダはこれまで5年間、ランキングのトップ5にいましたが、2017年の調査では7位になってしまっています。
6位
オーストラリア
こちらもG20の加入国です。
オーストラリアの寛大さ指標は、長年増加に傾向にありましたが、最近は減少傾向にあります。
昨年比でみると10%と、西側諸国の中で一番の減少傾向にあります。
5位
アメリカ
オーストラリアと同様、順位を落としています。
アメリカは寄付大国と言われていますが、2011年以来、最も低い結果が表れています。
そしてご存知の通り、G20の加入国です。
4位
ニュージーランド
ニュージーランドの寛大さ指標は、昨年から2%減少してしまいました。
それでも4位にランクインしています。
3位
ケニア
ケニアは東アフリカにある、インド洋に面する国家です。
アフリカ大陸の国の中では、1番高いスコアとなっています。
「見知らぬ人を助ける」の指標スコアが52%から60%に上昇したことが、大きな変化として挙げられます。
2位
インドネシア
2016年と比べて、慈善団体への寄付金が増加しています。
また、「ボランティアへの参加」が55%と高い数値を出しています。
G20諸国の中で最も高いスコアを出しています。
1位
ミャンマー
ミャンマーは4年連続、世界で最も寛大な国としてランクインしています。
世界銀行は、この国を「Lower Middle Income」と分類。
グローバルな寛大さを富に結びつける伝統的な仮定を混乱させます。
富を持つほど寄付やボランティアをする、という従来の常識を覆しています。
根底にあるのは仏教の教え。
毎日のように、修行僧貧しい人に対して、寄付をする習慣があります。
きになる日本は…?
では日本は何位だったのでしょうか?
2017年の調査では、日本は111位でした。
参加国はすべてで137か国ですので、下から数えたほうが早いという残念な数値になっています。
ランクインしている国は、本当に多くの時間、お金を他者のために使っているのですね。
ちなみに平成28年に内閣府が寄付をしている人に行った調査によると、
日本で寄付をした人の理由は、
「社会の役に立ちたいと思ったから」
「町内会・自治会の活動の一環として」
「自分や家族が関係している活動への支援」
などが挙げられています。
寄付をする理由について、もっと知りたい人は、こちらの記事もチェックしてみてください!
寄付には利子が得られる、商品がもらえる、などのリターンはありません。
では、どうして人は寄付をするのでしょうか。
また、寄付や慈善活動について、どう考えられているのでしょうか?
それぞれの宗教での考え方をまとめてみました。