自宅で簡単にたんぱく質・ビタミン・ミネラルといった栄養の過不足がわかる栄養検査キット「VitaNote(ビタノート)」。
「VitaNote」をきふるを通して購入すると、途上国の子どもたちのために活動する非営利法人に、750円の支援金が届きます。
VitaNoteの開発は、ある途上国のスラム街で貧困状態にありながらも夢を持つ子どもたちに出会ったことから始まりました。
「すべての子どもたちが夢を叶えられるように」と作られたVitaNote。
今回は株式会社ユカシカド代表の美濃部慎也さんがVitaNoteにかける想いについて深堀りしていきます。
「VitaNote」を手に語る株式会社ユカシカド代表美濃部慎也さん
客観的に栄養を検査できる「VitaNote」
ーーーーーーまずVitaNoteとはどんなものなのかを教えてください。
VitaNoteは、尿から栄養吸収量を測定できる検査キットです。
自分の栄養状態を知る方法はいくつかあります。
一般的なのは、何を何グラムたべた?と記録していく食事調査ですね。
でも季節や調理方法によって食品の栄養価は変化するので、食事調査も完璧とはいえません。
そこで僕らは、尿から栄養状態をチェックできるキットを開発しました。
VitaNote商品。自宅で採尿するだけで栄養検査ができる
ーーーーーー食べた後に排出される尿だから本当に身体に吸収されたものがわかるんですね。
よくテレビで「この食べ物が身体にいい!」と取り上げられると、次の日スーパーからその食べ物だけが消える、という現象が起こりますよね。
身体にいいと言われる食べ物は次から次へと出てきて、「結局なにを食べればいいの?」「本当に良くなっているの?」と混乱している人も少なくありません。
「とりあえず食べてみるけど、本当は効果をよくわかっていない」という状態なんです。
だからこそ、結果を数値で見せてあげる。
VitaNoteは、効果が出ているのかどうかをわかりやすくすることで、本質的に健康にアプローチしています。
ーーーーーー「わたしはこれを食べて健康になった」という文をよく見かけますが、あくまでもその人の感想ですよね。同じものを摂取したからと、自分も健康になるかはわからないなと。
そうです。
VitaNoteはその人自身の、客観的なデータを示します。
「結果を見たうえで、その食品を摂取し続けるかどうか、身体のためには何ができるかを考えてください」というスタンスなのです。
一昔前は食べ物に賞味期限なんて書いていなくて、においを嗅いで食べるかどうか自己判断していましたね。
食べるかどうかは自分で決める。
VitaNoteはその判断をするためのツールなんです。
途上国の新型栄養失調の子どもを救いたい
僕はVitaNoteを、途上国の子どもたちに使ってほしくて開発しました。
世界的にみて、飢餓問題は解決しつつあります。
けれど、新型栄養失調と言われる、隠れ栄養失調の人が増えているんです。
大学生のときフィリピンに行って、栄養不足の恐れがある人たちに多く出会いました。
けれど、そこでは野菜や魚といった栄養価のあるものがほとんど廃棄されて、甘いお菓子や油たっぷりの食事を摂っていました。
ーーーーーーおなかいっぱいにはなっていたけれど、栄養を摂取できていなかったんですね。
身体に良いものは目の前にあるんですよ。
むしろ野菜や果物は日本よりも安く手に入ります。
でも、目の前にあるものに栄養が詰まってるということがわからずに。
栄養を摂取することが生きるうえで大事だということがわからずに。
栄養不足の恐れがある人が多くいました。
ーーーーーー日本では健康に関する情報がありすぎて混乱してしまっているのに対し、途上国は知識・情報がなくて、誤った判断をしてしまったんですね。
フィリピンは、途上国とは言っても服や電気、水道は揃っていました。
ライフラインは比較的整備されていて、充実した生活を送っている印象がありました。
だけど致命的だったのが「食事」。
目の前に栄養価のある食材があるのに、それを捨ててしまっていた。
ちゃんと食事を摂っているのに、栄養失調で亡くなってしまう人もいました。
僕が訪れた村では、子どもたちはみんな夢を持っていました。
家族といる時間が多くて、日本よりもずっと暮らしやすそうでした。
だからこそ、栄養失調で亡くなってしまう現状を変えたい。
子どもたちがちゃんと成長して、夢を叶えられるようにしてあげたいと思ったんです。
僕は一番初めに「僕の所持金を全部あげよう」と頭に浮かびました。
とても可愛らしい女の子がいて、「この子の家族だけなら、僕の所持金で助けられる」と思ったんです。
でも「これってサスティナブル(持続的)じゃない」と、思いとどまりました。
僕がひとつの家族を支援したところで、この国の課題を解決できるわけじゃない。
だったら自分で栄養改善をできる仕組みを作ろうと思ったんです。
ーーーーーー1つの家族ではなく、国ごと救う仕組みを作ろうとして生まれたのがVitaNoteだったんですね。
そうです。
その国を訪れてから、僕の意識はガラッと変わりました。
帰国したその日から、「絶対に飢餓問題を解決するぞ!」と叫んでいました。
頭の中が途上国のことでいっぱいになっていましたね。
就職の面接でも、「僕は一国を救うために働きたい。それがこの会社でできるなら採用してください。できないのなら採用しなくて結構です」と言い切っていました。
「いやぁ一国を救うか……うちの会社ではちょっと厳しいなぁ」と返されることもありました。
いま思えばかなり強気な就活生ですね。
でも、それくらい本気で救いたかったんです。
10年近く飢餓を救う方法を考えた
そして帰国と同時に勉強を始めました。
フェアトレード・BOP・栄養の3つの分野の本や論文を、片っ端から読みました。
SDGsの前身となるMDGs関連の論文はすべて読みましたね。
昔からあまり勉強は得意ではなかったんですが、興味のある領域は徹底的にやりこみたい性格なんです。
けれど、初めはどうやったら途上国の栄養問題を解決できるのかどうか、見当もつきませんでした。
そんなものがあれば、もうすでに誰かが作っているはずなんです。
ーーーーーー当時は尿検査という形も決まってなかったんですね。
全く決まっていなかったです。
帰国してから10年、どうやったら飢餓を解決できるか、栄養検査の方法はなにでいくかを考えていました。
尿検査にしようと決めたのも2013年頃なんですよ。
尿のほかにも、血液・爪・唾液・毛髪・皮膚・汗・涙……と検査に使えそうなものは片っ端から試しました。
フィリピンに行ったのが2004年ですから。
一緒にフィリピンにいったメンバーからは「本当に作ったのか!」と驚かれます。
ーーーーーー開発には、本当に長い年月を要したのですね。
2004年から「絶対に飢餓問題を解決しよう」と取り組んでいますが、まだ途上国の子どもたちに提供はできていません。
本来の目標達成をしていないんです。
僕は一日でもはやく、途上国でVitaNoteを使ってもらいたいんですよ。
だから今回途上国支援をしているNPOと組めたことで、僕の目標に一方近づくことができたと思います。
発売後は意外にも更年期や高齢者のユーザーも
ーーーーーーVitaNoteを販売してから、ユーザーの反応はどうですか?
僕は、途上国の子どもたちが使えるようにと、VitaNoteを開発しました。
とは言え、初めから途上国の子どもたち相手に販売するのは難しいので、まずは日本国内で栄養に課題を感じている層をターゲットにしました。
日本で販売するにあたっては、アスリート・妊産婦・生活習慣病の予備軍を想定していました。
販売開始してからは、意外にも更年期や不定愁訴(ふていしゅうそ)※に悩んでいる人から好評でした。
「原因がわからないけれどなんだか体調が悪い」という状態が続くので、自然と栄養に関心が向くんです。※原因がはっきりしない体調不良
他には高齢の方。
高齢者の低栄養問題が話題になっています。
栄養が足りていないと認知症になりやすかったり、歩行困難になったりするんです。
そして高齢者の低栄養問題に関心があるのは、お子さんやお孫さんなんです。
「もっと元気でいてほしい」と、VitaNoteをプレゼントしている事例が結構ありましたね。
僕は初め途上国の子どものことばかりを考えていたんですが、多くの人達がVitaNoteを頼ってくれています。
嬉しいのはもちろん、その人たちのためにも誠実に向き合わなければいけない、と責任を一層感じています。
日本はまだまだ健康になれる
僕は、栄養にはまだまだ改善の余地があると思っています。
みんなが栄養管理をすれば、健康寿命の延伸だって難しいことではありません。
日本は風邪をひいたら薬を飲みますが、アメリカではそもそも風邪をひかないように栄養管理をしています。
アメリカでは普段から栄養を意識して摂取しているんです。
ーーーーーーたしかに予防医療は海外のほうが進んでいますね。日本は国民皆保険で病気になっても安く治療できることも関係していると思います。
確かにそうですね。
僕はバングラデシュにも行ったことがあるのですが、バングラデシュの健康意識はとても高かった。
バングラデシュでは髪の毛を切るのと同じ感覚で、道端で健康診断をしているんです。
どこでも健康診断ができて、「なんか体調おかしいな」と思ったらすぐ血液検査できるんです。
人間である以上、生きる欲求はありますから。
どの国の人であっても、健康でありたいと思うのは当たり前のことです。
もしかするとVitaNoteは海外のほうが受け入れられやすいかもしれません。
けれど僕も、日本に暮らしているし、日本人だし。まずは目の前にある日本の健康問題をどうにかしないと、という想いがあります。
夢のために頑張る人が結果を出すために「栄養革命」を
僕が作りたい世界は、簡単に栄養改善ができ、そして自分たちの夢ややりたいことを達成できる世界。
たとえば、将来弁護士になりたい子がいるとします。
弁護士になるための勉強はしても、栄養の勉強はしません。
けれどまずは健康に育たないと、夢を叶えることもできません。
勉強の合間に栄養を補えるようになれば、夢に近づく努力をしながら健康管理ができます。
大人になっても同じです。
例えば医師は健康のことを誰よりも知っているはずなのに、忙しくて自分の食事はおろそかになってしまっています。
目の前の患者を救うことに集中してしまって、自分のことは後回しになっているんです。
忙しくても、カップ麺を食べるような感覚で栄養を補って、より仕事でパフォーマンスを発揮できる。
勉強や仕事を頑張る人達が、十分に結果を出せる社会を作りたいんです。
これが僕のいう「栄養革命」です。
歴史や、哲学や、お金について学ぶように、生きていく上で必要な知識「教養」としての「栄養」を根付かせたいんです。
VitaNoteをどう途上国で普及させるか
ーーーーーー途上国の子どもたちでも気軽にVitaNoteを使えるようになるために、これから進めていくことはありますか?
VitaNoteをいきなり途上国の子どもに購入してもらうことは難しいことはわかっています。
でも、解決策はいくらでもあると思います。
例えば、先進国でVitaNoteが購入されたら、途上国では無償に近い形でで栄養検査が受けられるようになるとか。
VitaNoteの価格自体を、途上国でも購入できるように抑えるとか。
そもそも栄養検査をうけなくても栄養改善ができる世界をつくっていくとか。
大事なのは、サスティナブルであること。
「どうやって栄養改善ができる世界をつくっていくか」を僕は常に考えています。
正しく改善するためには、正しく現状を把握する必要がある。
そして僕らはその把握のための検査サービスと、その先の改善ソリューションをすでに持っています。栄養改善ができる世界をつくるのは僕らの使命だと思っています。
食べる物自体がない紛争地域や、栄養以外の問題の解決には僕らではなく政府やNPO/NGOの力が必要です。
今回のきふるでのキャンペーンのように、非営利団体ともうまく連携して、すべての子どもたちが夢を叶えることができる世界を作りたいです。
僕は絶対にやります。
だって、途上国の子どもたちのためにVitaNoteを作ったんですから。
ーーーーーー貴重なお話ありがとうございました!
自宅で栄養状態をチェックできる栄養検査キット「VitaNote」を購入して、途上国のこどもを支援しよう
「VitaNote」をきふるを通して購入すると、途上国のこどもたちのために活動する非営利法人に、支援金が届きます。
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