国境を越えてすべての子どもに教育と友情を|認定NPO法人国境なき子どもたち(KnK)

国境を越えてすべての子どもに教育と友情を|認定NPO法人国境なき子どもたち(KnK)

1997年に日本で発足したNGO、国境なき子どもたち(KnK)。
世界中の子どもたちに、教育機会を提供し、子どもたちの自立を支援しています。

今回は認定NPO法人国境なき子どもたちさんに、活動への想いや経緯、これからのことなどをお伺いしていきます。

認定NPO法人国境なき子どもたち公式HP
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認定NPO法人国境なき子どもたちの活動内容

——国境なき子どもたちでは、どんな活動をしていますか?

「国境なき子どもたち」という団体の名前には、「国の分け隔てなく子どもたちを支援する」という意味が込められています。
支援先となるのは、主に開発途上国の困難な状況にある子どもや青少年。
具体的には、教育、職業訓練を行い、必要なときには保護や受け入れ施設を提供しています。

家族や地域社会との関係修復を手助けすること。
そして、ひとりひとりの才能を伸ばすことや、人間としての尊厳を回復するための援助をして、一人一人が自立し、尊重される市民となるよう支援をしています。

アイキャッチ-国境なき子どもたち友情のレポーターとの交流/カンボジア

特徴的なのは、日本の子どもたちを海外に派遣する「友情のレポーター」です。
日本在住の11歳から16歳の子どもたちを、カンボジアやフィリピンに派遣する教育プログラムを毎年行っています。

一般公募で選ばれたレポーターは、春休みや夏休みに国境なき子どもたち(KnK)の活動地を訪れ、ストリートチルドレンなどの現状を取材します。
現地の子どもたちとの相互理解を深め、帰国後は自分たちが現地で取材したことを様々な形で報告し、支援を呼びかけます。

——子どもたちが自分で取材をして、発表までするんですね。日本の子どもたちにとっても素敵な活動です。

活動のきっかけ

——国境なき子どもたちの活動は、どう始まったのでしょうか?

国境なき子どもたちの前身となったのは、国境なき医師団日本による教育プロジェクト「子どもレポーター」でした。

創設者のドミニク・レギュイエは毎年「子どもレポーター」に同行し、日本の子どもたちと一緒に開発途上の国々の現状を視察していました。
その中のある施設で、疲労と不安でいっぱいの寂しい目をした子どもたちに出会いました。

「彼らのために、日本にいる自分たちに何かできることがあるのではないか?」

そう考えて、レポーターたちの声も受けて、カンボジアやベトナムで「若者の家」を開設しました。
「若者の家」で教育支援と職業訓練を始めたことが、国境なき子どもたち(KnK)の原点です。

1997年に、「子どもレポーター」事業を担う日本のNGOとして発足し、国境なき医師団日本と共催を開始。
2003年に独立し、KnK単独事業として「子どもレポーター」は「友情のレポーター」と名前をあらためました。

——もう何十年も活動をしているんですね。団体のこれまでの実績を教えてください

バングラデシュでは貧困層の青少年を対象に職業訓練を実施したところ、訓練後の平均収入が訓練前の2倍となりました。
なかにはより良い企業へ転職できた修了生もいます。

パキスタンでは、2018年支援対象の小学校4校の中退率が46%から1%に下がりました。

カンボジアの「若者の家」では、2000年から2018年までに約450名を受け入れてきました。
そのうち275名が家庭に復帰した後、就職や進学など、それぞれの自立に向けて動き始めました。

フィリピンでは、2001年から2018年までに約2,520名を保護。
行政との協力・信頼関係を築いていき、身寄りのない子どもや青少年鑑別所で不当に収容された子どもの保護を依頼されています。

ストリートチルドレン保護施設/バングラデシュストリートチルドレン保護施設/バングラデシュ

子どもたちをとりまく課題

——そもそも、国境なき子どもたちの活動エリアには、どんな社会課題があるのでしょうか?

カンボジア、フィリピン、バングラデシュ、パキスタン、ヨルダンにはそれぞれ複雑な課題があります。

・カンボジア、フィリピン、バングラデシュのストリートチルドレンは、いつも暴力や犯罪と隣り合わせです。
不衛生な食事や裸足が原因で病気やケガが絶えません。

・フィリピンの犯罪と隣り合わせの子どもたちは、自分の身を護るためにギャングに入り、盗みや麻薬などの組織的な犯罪にだんだん手を染めてしまいます。
法に抵触してしまうと劣悪な環境の青少年鑑別所に入れられます。
青少年鑑別所では教育や適切なケアを受けられないうえ、社会からの理解を得られず、将来の可能性すら奪われてしまいます。

・カンボジア、フィリピン、バングラデシュなどの極貧家庭の子どもたちは、交通費など、通学のために必要なお金をまかなえないため学校に通えません。
また、教育に対する親の意識が乏しく、家族を支えるため労働を強いられてしまいます。
そういった子どもたちは適齢期に学校へ通えないために手に職を付けられず、親と同じように貧困生活から抜け出せません。

ゴミ山の子ども3・・・ごみ山で働く子ども/フィリピンごみ山で働く子ども/フィリピン

・カンボジアなどでは、15歳以上の青少年は、教育や職業訓練を充分に受けられないまま社会に投げ出されることが少なくありません。
自立の準備が一番必要なのにも関わらず、支援を打ち切られてしまうのです。
そうすると一層、貧困状態から抜け出すことが難しくなってしまいます。

・パキスタンの女の子は、男性優位の伝統的な慣習や貧困が理由で、学校に通わせてもらえず、早期結婚や家庭内労働を強いられています。
また、トイレなどの衛生設備が学校に整っていなかったり、家から学校までが遠く危険なため、親が娘の通学を許可しない問題もあります。

・紛争の影響下にあるヨルダンのシリア難民の子どもや、分離壁に囲まれたパレスチナの子どもたちは、自由な移動も許されず閉鎖された地域内で生活しています。
そのため、精神的なストレスを抱え、将来の夢を描くことができません。
また、難民や移民に対する地域住民の無理解や対立意識が子どもたちの心理に影響し、いじめなどの問題を引き起こしてしまいます。

——世界中にたくさんの課題があるんですね。その社会課題は、どうして生まれてしまうのしょうか?

貧困の原因は国により異なりますが、福祉や教育が充実していなければ、一度、貧困状態に陥ってしまうとそこから自力で抜け出すのは非常に困難です。
貧困の連鎖は子どもの世代にまで続きます。

例えばフィリピンのスラム地域では、暴力や虐待などで子どもが家庭内で居場所を失い、路上生活を始める事例が後を絶ちません。
路上では物乞いなどでお金を稼ぎ、その日その日を生き抜いています。
学校に通いたくても自分の努力ではどうすることもできず、路上で新しい命がストリートチルドレンとして生まれてきます。
その子もそのまま助けがなければ、貧困の中で生きることになってしまうでしょう。

また、女子の場合、男性優位の伝統的な慣習や貧困が理由で学校に通わせてもらえず、早期結婚や家庭内労働を強いられる国や地域も少なくありません。
そうして男女間の教育格差は生まれていきます。

——貧困から抜け出せないこと、学校に通えないことが関係しているんですね。

国境なき子どもたちのこれから

——国境なき子どもたちで最近で取り組んでいることはありますか?

それぞれの国にあわせて、活動をしています。
どの国の活動も、大事にしているのは「青少年の育成支援」です。

カンボジアでは
・自立支援施設「若者の家」における安定した衣食住と教育・訓練機会やコミュニティに開放した教育クラス(識字、英語、図書館)を提供しています。
・職業訓練や収入創出活動(絹織物、縫製、洋裁)を行っています。

フィリピンでは
・スラム地区(2ヶ所)で青少年と保護者へのノンフォーマル教育や課外・啓発活動を行っています。
・自立支援施設「若者の家」における安定した衣食住と教育・訓練機会、心のケアを提供しています。
・青少年鑑別所を訪問し、子どもの権利やライフスキルに関するグループディスカッションなど教育活動を提供しています。

バングラデシュでは
・首都ダッカで青少年を対象とした職業訓練の提供、非正規企業の労働環境改善、啓発活動を実施しています。
・ダッカでストリートチルドレン対象のドロップインセンターを運営しています。

ヨルダンでは
・ザアタリ難民キャンプの公立学校1校にて、シリア難民の子どもたちに情操教育やキャリア教育の授業を提供しています。
・首都アンマンの公立学校を対象に、子どもたちの社会性を育む特別活動の導入に向け、ヨルダン教育省と新しいプロジェクトを開始しています。

パキスタンでは
・マンセラ郡の6村で女子教育普及を目指した共学校8校を建設しています。
地域の公立学校教員や子ども支援センター職員に演劇、音楽、美術、心理ケアの研修を実施、また子ども支援センターでこれらの活動を提供しています。

青空教室で学ぶ女子生徒たち/パキスタン青空教室で学ぶ女子生徒たち/パキスタン

そして日本では
・2011年3月の東日本大震災で被災した沿岸部市町村にて公民館の再建など支援活動を続けています。

また国内では、海外の子どもたちのおかれた現状を知ってもらうために、日本の青少年、市民への教育啓発を行っていきます。

「友情のレポーター」として日本在住の11歳から16歳を対象に一般公募を行い、国内外の国境なき子どもたち(KnK)活動地へレポーターとして派遣しています。
取材後は報告会やビデオレポートで、日本の人々に支援を必要とする子どもたちの現状を伝え、相互理解を促進します。

「友情レポーター」のほかにも、友情の5円玉キャンペーン、写真展、公開講座「シリーズアジア」などの各種イベントを通して、理解を深めてもらいます。

国境なき子どもたちを寄付で応援しよう

——国境なき子どもたちへの寄付金は、どんなことに使われますか?

国境なき子どもたち(KnK)が支援する国での事業費、国内教育プロジェクトやその広報活動などに活用させていただきます。

もし1,000円の寄付があれば、
カンボジアでは「若者の家」に暮らす青少年1名が約1ヶ月間、職業訓練を受けることができます。
フィリピンでは、スラム地域に住む子どもたち10名が約2週間、国境なき子どもたち(KnK)の非公式教育を受けられます。

——たった1,000円でも、可能性は無限大ですね。目指す未来はどんなものですか?

私たちが目指しているのは
子ども一人ひとりが教育を受け、夢を描くことができる未来。
子ども一人ひとりが尊重され、安心して健やかに成長できる未来。
子どもたちが互いの違いを認め合い、友情を育み、共に成長できる未来です。

日本生まれのNGOとして、国境を越えて子どもたちに教育と友情を届けたい。
そう思って、日々活動しています。

——素敵なお話、ありがとうございました。

あなたも認定NPO法人国境なき子どもたちを応援しませんか?

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