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【寄付者インタビュー】寄付とは誰かからもらった恩を、見知らぬ誰かに返すこと【女性/30代/IT系】
原作者:いちろー@キフクリエイター見習いさんの記事の紹介しております。
寄付をする人ってどんな人なんでしょうか?寄付をしない人ってどんな人なんでしょうか?
自分の財布からお金を出すという点では、消費と一緒です。
けれども、「ずっと賃貸でお金を払い続けているのが、モッタイナイから資産となる不動産が欲しい!」「パソコンを壊したから、なるべく早く新しいものが欲しい!」「のどが渇いたから、飲料水を購入する」といった一般的な消費とは、なんだかちょっぴり違う気がします。
寄付者は、なぜ寄付をして、どのように寄付する先を選んで、何を期待しているのでしょう。
動機付けのされ方や、実際に支払うというアクションの起こし方など、寄付をする人のアタマの中を分解していきます。
今回寄付についてのお話を聞いたのはどんな人?
性別:女性
年齢:30代前半
職業:IT系
在住:東京
どこに寄付をしていますか?
- 毎月定額の寄付をしている団体
児童養護への教育支援団体
- 毎月ではないが定期的に寄付する団体
大手国際協力系団体
- 単発で寄付したことがある団体
震災義援金系
知的障害児支援団体
ヘアドネーション
きっかけは「大学の授業で現場をみて」
毎月寄付をしている児童養護施設への教育支援団体との出会いは、あるイベントでした。
一緒にボランティアをしていた友人のFacebook投稿からそのイベントの存在を知って、参加をしました。
そして団体の方から社会課題や活動内容について知り、後日自分でもインターネットで調べて、継続寄付をするようになりました。
課題に興味をもったのは、大学生の時、福祉学科の授業の一環で児童養護施設に訪問してからです。
そこで、子どもは家庭教育や学校教育、塾などいろんなところで補完しあって、学びを深めていきます。
にも関わらず、児童養護施設の子たちは、そういった教育環境を届けるのが難しい、ということを知りました。
ここで出会った団体はそのような課題解決のために活動している団体だったから、寄付をしようと思いました。
継続的な支援が必要だから
児童養護への教育支援団体へは、単発ではなく、継続で寄付をしています。
児童養護をめぐる課題は、一時の資金だけでは解決するものではなくて、継続的な支援が必要だからです。
自分の時間を使って、課題解決のために活動するという選択があったのですが、できなかったから寄付をしています。
活動に共感できるかどうか
知的障がい児の演劇開催のクラウドファンディングにも単発で寄付をしたことがあります。
知的障がいをもつ子どもたちには、感情が伝わりづらかったり、言葉でうまく説明できないという課題を持っています。
そのなかで、音楽とか、アートとか、演劇とかが良い影響を与えるという研究があるんです。
ですが、知的障がい児を持つ親は、普通のコンサートや映画館、演劇などには、遠慮しがちになってしまい、なかなか連れていくことができません。
団体の活動のことは、会社の同期のFacebookを見て知りました。
実際に活動している人たちと関係性はありませんでしたが、設定している社会課題や解決のための切り口と解決策に共感し、「成功してほしい!」と寄付をしました。
実際に開催することができ、新聞にも取り上げられていました。
Facebookでは、友人知人が様々なチャレンジをしていて、クラウドファンディングの依頼はよくお願いされます。
けれども、クラウドファンディングでの寄付は、この活動にだけしています。
なので、支援するかしないかという点においては、プロジェクトオーナーとの関係性ではなく、その活動そのものに共感をするかしないかということになります。
寄付の話が自然にできる
現金の寄付ではないですが、ヘアドネーションもしています。
Facebookでの友人の投稿で、髪の毛を届けて寄付をするのを知りました。
ヘアドネーションとは、がん患者や白血病患者など、病気が原因で毛髪を失った人に対して、ウィッグを作る取り組みです。
人間以外の動物の毛を使用してウィッグを作ると、ゴワゴワだったり、違和感があるので、人毛を使用してウィッグを作っています。
寄付することをいつも行っている美容院に説明し、カットをしてもらって、袋に入れて持ち帰り、自分で送付しました。
髪の毛の長さでいうと、大体30㎝くらい。
伸ばすのに2~3年くらいかかりました。
寄付の話って友人とすることはほとんどありません。
けれども、ヘアドネーションは、髪の毛を30㎝とザックリ切っているので、「どうしたの?」と聞かれます。
そのときに、寄付の話を自然と話せてるのかなと思います。
実際には一人分の毛髪から、一人分のウィッグを作れるわけではないので、「あなたの髪の毛が、こうなりました!」みたいな報告はありません。
後日に団体のブログで、自分が髪の毛を送った際に同封していた手紙が紹介されていました。
誰かの役に立っているという感覚が嬉しいので、また髪が伸びたらやろうと考えています。
課題解決のために行動する人を応援したい
私が関心のあるテーマは、日本、海外は関係なく「身体的にも経済的にもハンデを持っている人を支援すること」です。
社会的弱者に対して何か手助けできることをしていきたいと、大学では福祉学科を専攻しました。
数年間、病院の小児病棟で子どもたちと遊ぶボランティアもしていました。
ですので、特に自分で見たり聞いたりと経験している「子ども、福祉、医療」というテーマで、「どうにかしなければ!」という課題感が強いです。
NPO法人などの非営利法人は、存在しなくてもよい社会が理想だと思っています。
ただ世の中から社会課題がなくなることは不可能だから、その解決のために情熱的に行動できる人を応援したいと思っています。
寄付とは誰かからもらった恩を、見知らぬ誰かに返すこと
寄付について振り返ると、寄付をすること自体は、私にとって特別なことではありませんでした。
家に非営利団体からの報告書が届いていて、両親が継続的に寄付をしていたことを知っていたからとうのもあると思います。
ただ今日この場で話しながら、よくよく考えていくと、過去に阪神淡路大震災を経験したことが、この考え方のベースにあるように思います。
ある日突然、日常が壊されて、学校に行けなくなったり、とても寒かったり、生活が不便だったりする中で、誰かの寄付でできている救援物資を受け取っていました。
自分自身が課題当事者であり、受益者であった経験が心に残っています。
寄付をした人は、私のことなんか知らない他人なのに寄付をしている。
それが凄いことだなと。
自分が大人になった時、見知らぬ誰かを救うことができる大人になろうと。
私にとって寄付とは、誰かからもらった恩を、見知らぬ誰かに返すことであると思います。
寄付者インタビューのご協力、ありがとうございました!
きふるでは、「なぜその課題に向き合おうと思ったのか」「なぜ寄付をするのか」といった支援者の想いを知ることで共感を生み、支援の輪が広がっていく考えております。
あなたが社会課題に取り組む理由をお聞かせください。