「生理の貧困」をなくそう。レッドボックスジャパンは日本の学校へ生理用品を届けています。

「生理の貧困」をなくそう。レッドボックスジャパンは日本の学校へ生理用品を届けています。

経済的な理由で生理用品が買えない学生たちを救いたい。生理用品を必要とする日本のすべての学校へ、赤いボックスに生理用品を詰め込んで寄付します。

 

レッドボックスジャパンとは

 

レッドボックスプロジェクトは、イギリスで始まった社会活動。赤い箱の中に生理用品を入れて学校に寄付するというシンプルな方法で始められ、赤い箱を寄付することから “レッドボックス”プロジェクトと名付けられました。 この活動は2017年3月にポーツマスで設立され、今ではイギリス全土を始めとしてヨーロッパ諸国を中心に世界中に広まりを見せています。日本は2019年12月に設立し、「レッドボックスジャパン」として日本国内で活動しています。

 

レッドボックスプロジェクトの活動の背景  

 

 “Period Poverty(生理の貧困)”とは

 

“Period Poverty(生理の貧困)”とは、生理用品を買うお金がない、または利用できない環境にあることを言います。イギリスでは、生理用ナプキンやタンポンが買うことができない学生が約10人に1人いるとされています。※1 彼女たちはティッシュや靴下で代用していたり、さらには学校を休んでしまうことで教育の機会を逃してしまっています。この“生理の貧困”問題はイギリスだけではなく、今世界中で解決に向けて取り組んでいる課題です。レッドボックスプロジェクトは、生理用品の寄付を通して生理期間中の学生たちをサポートし、”生理の貧困“をなくすことを目指しています。

欧米やイギリスと同じ先進国の日本でも、”生理の貧困”は起きています。今、日本の子どもの6人に1人が貧困のもとで暮らしています。日本の子どもの貧困率は16.3%(2014年発表)で、過去最高を更新しており、ひとり親など大人1人の世帯に限ると、54.6%で、先進国で最悪の水準です。※2 家庭の収入が少なく、ご飯を食べるだけでも精一杯。ましてや生理用品を買いたいなんて言えないし、恥ずかしい。そう悩んでいる子どもたちはたくさんいます。日本の学校にもレッドボックスを設置することで学生たちの生理に関する不安を取り除き、安心して学校生活を送ることができるようにするために、レッドボックスジャパンとして日本での活動をスタートさせました。

いま、世界で広まりを見せる“Free Periods(フリーピリオド)”とは

“生理の貧困”解決のために立ち上がり、#Free Periodsを設立したAMIKA GEORGEさん

アミカ・ジョージ。” Period Poverty(生理の貧困)”の解決に取り組むイギリスの活動家。17歳の頃、ジョージはある記事に衝撃を受けます。それは、「経済的理由でタンポンなどの生理用品を買う余裕がなく、学校に行けない若者が多数いる」という記事でした。そこで、彼女はウェストミンスター宛ての請願書(署名者20万人以上を獲得)を実施し、2017年に#Free Periodsという非営利団体を設立し、学生に無料の生理用品を提供するよう英国政府を説得するための抗議を行いました。ジョージによると、ナプキンやタンポンを買う余裕がない若者は衣類やトイレットペーパーを代用したり、時には同じタンポンを何日も続けて使用するケース(毒性ショック症候群の危険にさらされる可能性)があると述べています。彼女はさらに、男性が生理の”タブー”を超えて、”生理の貧困“に対する活動に取り組むことができるよう、男性への教育をどのように改善しなければならないかについても述べています。

 

世界各国での学生への生理用品無償化への取り組み

 

現在、ヨーロッパ諸国を中心に、学生への生理用品無償化の取り組みが始まっています。“生理の貧困”という問題に世界で最も早く対応を試みたのがスコットランドです。2018年8月に、スコットランド政府は小学生から大学生までを対象に生理用品の無償化を決めました。※3フランスでは、マルレーン・シアパ男女平等大臣が、女子学生・受刑者・ホームレスを対象にした生理用品の無償化を提案しています。2019年10月17日、その第一歩として「生理用品の無償化に関する報告書」が発表されました。リール大学やカーン大学、その他の場所で無償配布をテストし、経済的な理由から生理の手当が充分にできない女性がいるという実態について調査した結果です。※4 イギリスでも、レッドボックスプロジェクトを始めとした”フリーピリオド“のムーブメントにより、2020年1月20日、イギリス政府が、学生への生理用品無償化を決定しました。※5 そのほかにも、ニューヨーク市やソウル市でも、学生への生理用品無償化へ取り組んでいます。

 

レッドボックスジャパンが挑戦している課題

 

女性も男性も生理を理解し、サポートする環境

 

近年、早期からの性教育の重要性が高まっています。命の誕生に関わる重要な身体の機能に関わらず、性教育や生理の話にはタブー感が強いのが日本の現状。また、日本では思春期の性教育における男女別学習により、男子生徒への生理の教育は放棄されたも同然です。一方、先進的なヨーロッパ諸国では、物心ついた時から男女に性教育を行うそう。レッドボックスは、思春期の学生の“もしも“や不安をサポートするだけでなく、生理のしくみや正しい生理用品の知識を通して「多様性」、「平等」、「自分と他人の身体を大切にすること」を学ぶきっかけをつくることを目指しています。

 

レッドボックスを企業にも。女性を理解し、見守る職場へ

 

女性の社会進出が進む中、女性のライフステージに合わせた働き方の提案や制度 が充実してきました。しかし、世界経済フォーラム(WEF)による、各国の男女格差の大きさを調査した「グローバル・ジェンダー・ギャップ指数」の2019年の調査結果において、日本は調査対象となった世界153カ国のうち121位と、G7の中でも最低の結果でした。※6 働く女性を取り巻く環境はいまだに厳しく、改善していく必要があります。 特に男性社員が多い職場では、生理のことを相談したり、打ち明けにくいのが現状です。男性は、女性のPMS(月経前症候群)や生理の正しい知識を得ることによって、職場の仲間の気持ちを考え、思いやる機会になります。 
レッドボックスは、企業での働く女性の居心地の良さを作ることができるようサポートします。具体的には、レッドボックスの設置や外部講師として社員研修を行うなどがあります。 

 

予測不能な事態に備えて地域をサポートする環境

レッドボックスは日本全国の学校に設置する他にも、公共施設に置くことで重要な役割を担います。図書館やスポーツスタジアム、駅などの公共施設のトイレにレッドボックスを設置することで、急な生理など日常の緊急時にも安心できる環境を作ります。 また、地震や水害などの深刻な事態では生理用品の支援にまで配慮が至らないケースが多いです。学校や公共施設にレッドボックスを設置することで、地域やまちのセーフティネットとしての役割も果たします。実際に、イギリスやフランスではサッカースタジアムや図書館などの公共施設に生理用品が導入されている事例もあります。

セクシャルマイノリティ LGBTQの理解

あらゆる多様性が受け入れられる世の中になり、セクシャルマイノリティーの理解や教育を重要視する考えが広まってきました。電通ダイバーシティ・ラボの2015年の調べ(全国69,989名にスクリーニング調査を実施)では、日本におけるLGBTQの割合が人口の7.6%存在すると言われています。※7 権利保障や認知について「日本は欧米に比べて遅れている」と言われることが多いです。女性よりも生理に対して恥ずかしさを持つ彼・彼女たちのために、できることを考えていく必要があります。”だれでもトイレ”にもレッドボックスを設置することでセクシャルマイノリティの方達も安心して快適な生理期間を過ごせる環境が整います。

水質汚染改善への取り組み

生理用品が水質汚染に深刻な影響を及ぼしていることを知っている人は多くありません。例えば、タンポンは世界中で使われているにも関わらず、廃棄方法について知らない人が多いというのが事実。イギリスでは、タンポン使用者の約60%が使用済みタンポンをトイレに流してしまっているという衝撃のデータがあります。※8 トイレに流してしまうことで、下水管を詰まらせたり、地下の下水道でファットバーグという油の塊の一部になってしまっています。このファットバーグは今世界中の都市で大量に発生しており、社会問題となっています。ロンドンでは、ファットバーグの除去に毎月1.8億円の費用がかかっているそうです。※9 レッドボックスでは、寄付を通して学生たちに正しい生理用品の捨て方の教育活動を行い、一人一人のアクションが環境問題の改善に繋がることを考えていきます。

海洋プラスチックごみ問題への取り組み

 

生理用品の廃棄量は世界中で年間120億個と言われています。※10 この膨大な廃棄 物は埋め立て地へ行きますが、正しく廃棄されなかったものは最終的に海へと流れていきます。私たちが使用している生理用品は、様々な合成素材やプラスチックをもとに作られています。近年問題になっている海洋プラスチックごみ問題ですが、欧州委員会の最近の調査によると、生理用品は海で5番目に多く見つかるプラスチック製品だと言います。※11 プラスチック製品が海を漂流することによって、海洋生物の誤飲に繋がったり、一部が海岸に打ち上げられることでビーチの汚染にも繋がっています。 
レッドボックスでは、生理用品の正しい捨て方の教育活動を通して、生理用品を含めたプラスチック問題についても考え解決していくきっかけを作ります。

 

 

 

 

おわりに

 

生理によって女性が抱えるストレスは大きく、毎月の生理をワクワクして待つ人はいません。カラダや感情の変化が激しく、色々な行動が制限されたり、自分らしく生活できずに辛い思いをする人も多いのではないでしょうか。生理周期もそう。時計のように正確でないからやっかいなもの。いつなってしまうか不安で、誰にも相談できなくて、急になった時のことを考えたら自由に行動できなくなってしまう。思春期の女の子たちはなおさらです。そんなうまく説明できない彼女たちの不安や不快感を、レッドボックスがそっとケアできたら。そして少しでも彼女たちが前向きに、楽しい毎日を送れたら。レッドボックスは、生理期間中を通して恵まれない女子学生が快適な日常生活を送ることができるよう、サポートし続けます。

 

 

 

 

 

 

 

引用元

 

※1 子供のためのチャリティ「プラン・インターナショナルUK」による調査 https://plan-uk.org/media-centre/plan-international-uks-research-on-period- poverty-and-stigma 
※2 朝日中高生新聞 
https://asagaku.com/chugaku/newswatcher/4903.html 
※3 NEWS ROOM

https://www.lci.fr/international/ecosse-des-protections-periodiques-gratuites-pour-toutes-de-l-ecole-a-l-universite-2096988.html

※4 Le Monde

https://www.lemonde.fr/societe/article/2019/10/17/des-protections-hygieniques-gratuites-pour-lutter-contre-le-fleau-de-la-precarite-menstruelle_6015885_3224.html

※5 BBC NEWS

https://www.bbc.com/news/uk-51167487

※6 Global Gender Gap Report 2020 
http://www3.weforum.org/docs/WEF_GGGR_2020.pdf 
※7 電通ダイバーシティ・ラボ 「LGBT調査2015」 
https://www.dentsu.co.jp/news/release/2015/0423-004032.html 
※8 Tampons aren’t for toilets: biodegradable bag hopes to fight the flushers 
https://www.theguardian.com/sustainable-business/womens-blog/2016/may/16/tampons-not-for- toilets-flushing-fab-little-bag-periods 
※9 AFP BB NEWS ロンドン地下世界、「ファットバーグ」と闘う人びと 
https://www.afpbb.com/articles/-/3034472 
※10 VOGUE 快適!自分にも地球にもやさしいサステイナブルな月経ライフのすすめ。 
https://www.vogue.co.jp/beauty/article/2019-11-18-plastic-free-period-cnihub 
※11 European Commission JRC Technical Reports 
https://publications.jrc.ec.europa.eu/repository/bitstream/JRC108181/technical_report_top_marine_lit ter_items_eur_29249_en_pdf.pdf 

 

 

kiji-boshu-20190725_2

 

活動を知るカテゴリの最新記事

アンケート

 

きふるでは、寄付に関する世の中の捉え方や考え方を集めており、もっとより良い記事を皆さんにお届けしたいと考えています。

 

アンケートご協力いただけると幸いです。

 

アンケートに回答する