いつ、どこで、どんな自然災害が起こるかわからない今日だからこそ、被災した人に、町に、手を差し伸べることができる社会づくりを目指しています。
一般社団法人ピースボート災害支援センター(以下、PBV)では、被災地へのいち早い災害支援活動や、災害に強い社会作りの活動を行っています。
(撮影:Dee Tracey)
誰しもが自然災害に襲われる可能性があります
現代の技術を駆使しても、いつ、どこで、どんな自然災害が起こるのかを予想することは、とても難しいです。
つまり、誰しもが自然災害に襲われる可能性があるということです。
災害が発生すれば、私たちの生活は一変します。
特に、世界では貧しい地域が、日本では高齢者の多い地方や担い手の少ない地域が深刻な影響を受けます。
元の生活に戻るのに、何年もの長い時間がかかる場合もありますし、同じような生活が戻らない場合もあります。
世界では毎年、約1億6000万人が被災し、約10万人が命を落としています。
そのうちの半数以上が途上国で生きている人々です。
貧困は、災害時に命を落としやすくしてしまいます。
日本は地震大国として、地震の災害が注目されやすいですが、毎年どこかの地域で水害や土砂災害の被害を受けています。
深刻な自然災害は毎年日本で必ず起こっていることなのです。
例えば2019年は台風15号、19号の影響で千葉県や福島県などが被災し、支援に入りました。
「お互いさま」と支えー助け合える社会を
どのような自然災害でも、家族だけ、地域だけでは対応が困難なことがあります。
「水害の被害を受けて、家じゅうが泥だらけになってしまいました。家具も家電も全て泥だらけになってしまい、破棄しなくてはなりません。途方に暮れました。一人で片付けもできないし、修繕する費用もないし、着るものもない状態でした」
ある被災をされた方は、自分が被災したときに変わり果てた家を見て絶望しました。
周りの家も同じようにひどい状況で、なかなか「助けてほしい」ということができませんした。
しかし、ボランティアが家屋清掃を手伝ってくれているという情報を聞き、依頼をしてくれました。
ボランティアの人たちが汗水流しながらも家をきれいにしてくれて、その姿に勇気と笑顔をもらったと言ってくれました。
ですが、勇気と笑顔をもらったのは被災した人たちだけではありません。
ボランティアも被災された人たちが力強く立ち上がっていく姿を見て、勇気づけられています。
ボランティアに参加した人たちの声
「『手伝えることがあればしたい』と参加した災害ボランティアでは、わたしたちが支援するだけの関係性ではないことに気が付きました。
清掃活動でも避難所支援でも、お互いに『ありがとう』という言葉が飛び交い、お互いが元気になっていきました。
大切な人たちと繋がったきかっけは、災害という悲しい出来事でしたが、その人たちとの繋がりは、わたしが災害支援を続けていく上での糧になっています。
人との繋がりや助け合いが心を豊かにしてくれるので、復興への道のりを頑張っていこうと思えるんです。機械での支援をする場面ももちろんありますが、人じゃないとできないこともあると感じました」(Sさん・災害ボランティア)
「東日本大震災をきっかけに災害ボランティアに参加しています。
一人ひとりの失ったものの大きさに衝撃を受けましたが、そんな中でも復興を目指して立ち上がっていく人々の力強さを感じました。さまざまな場所でさまざまな人たちと出会い、そこでかけてもらったすべての言葉が、わたしを突き動かす原動力になっています。
『ボランティアの助けは借りない』と心に決めていたおばあちゃんが、話をしているうちにわたしたちを頼ってきてくれたときは嬉しかったです。
今でも文通をしており、お茶をしたりと繋がりが続いています。
人と関わり続ける中で信頼関係が生まれたからこそ、何度も足を訪れるようになりました。
今ではそれが仕事になり、より多くの人々を支援できるよう、日々模索をしています」(Aさん・災害ボランティア)
災害は、時に私たちを被災者にし、時に私たちを支援者にもします。
その関係は循環していきます。
私たちは、国や地域、人種を越えて、全ての人々が互いに寄り添い、協力し合える社会を作ることが、困難に立ち向かう力になると信じています。
想いを役に立つ「カタチ」にする
ピースボート災害支援センター(PBV)は、被災地で生きている人々のニーズに合わせ、文化や人に寄り添う支援活動を行っています。
そして、寄付者やボランティアなど、支援者として自発的に関わる様々な人たちの想いを、具体的に役に立つカタチにしていきます。
- 情報収集と現地調査
災害が発生するとすぐに関係機関や支援団体のネットワークを駆使して情報収集を開始します。
なるべく早い段階で先遣スタッフを派遣します。
先遣スタッフが現地の被害の状況や支援ニーズなどを直接調査します。
その地域の課題を把握し、具体的な支援を決めていきます。
- 被災地に寄り添った課題解決
被災地は、困難な状況にあったとしても、適切なサポートがあれば未来に向かう一歩を踏み出すことができます。
その時、その場所、その人たちに必要な支援を、寄付者やボランティア、関係機関と協力しながらカタチにしていきます。
その活動は、食事支援、家屋清掃、物資提供、避難所運営サポートなど状況に応じて多岐にわたります。
2020年3月までに海外では31ヶ国、国内では54地域で支援活動を行ってきました。
(※国際NGOピースボートの災害支援を含むこれまでに支援した延べ被災地数)
活動をともにしてくれたボランティアの方々はのべ10万人を超えます。
ピースボート災害支援センターを応援しよう
自然災害が起こった際に、実際にボランティアとして現地に行くことだけが、支援というわけではありません。
いま、最も支援を必要としている課題
災害発生時に、いち早く被災者の支援活動を開始するための支援金が必要です。
現状では、災害が発生してから、社会的注目が集まり、寄付が行われます。
事前の備えとして、災害時に活用できる準備金があれば、より円滑に早く、現地調査・支援活動を開始できます。
さまに、被災者の困りごとに応じて、必要な支援活動を展開するための寄付になります。
①サポート会員として応援
PBVではサポート寄付会員を募集しています。
サポート会員になられた方には特典があり、ニュースレターや年次報告書のお渡しや、イベントや講演会などの優先申し込みが受けられます。
サポート寄付会員:https://pbv.or.jp/support-member
②今回のみの寄付で応援
単発での寄付も受け付けております。
少しお財布に余裕のあるとき、誰かを思いやることにお金を使いと思ったときはぜひこちらへ。
単発での寄付:https://pbv.or.jp/donate/donate
皆さまからいただいた寄付は、災害や地域のニーズに応える形で使わせていただきます。
例えば毎年発生する水害では、避難所への支援、家屋の清掃、炊き出し、などさまざまな形で支援をすることができます。
また、災害発生時には、災害ボランティアも募集しています。
現地情報は、PBVホームページやFacebook、Twitterで発信しています。
PBV公式HP:https://pbv.or.jp/
Facebook:https://www.facebook.com/PBVsaigai/
Twitter:https://twitter.com/PB_saigai
(撮影:Yoshinori Ueno)
人こそが人を支援できる
わたしたちの活動理念は「人こそが人を支援できる」ということです。
どんなに技術が発達しようと、人と人の絆ほど心強いものはありません。
思いやること、痛みを分かち合い行動することが、少し遠い地域の「誰か」を救うことになります。
「誰か」を助けることは、巡りめぐって自分や家族を支えることにもなります。
決して難しいことではありません。どこにいても、誰にでもできることです。
それはボランティアや寄付という形にとどまらず、情報を発信すること、知ること、備えることなど、できることは身近にあります。
ぜひあなたにあった応援の形で、PBVと一緒に災害と立ち向かっていきましょう。