世界一死者が多い紛争地域で戦うこども兵と長引く戦争。

世界一死者が多い紛争地域で戦うこども兵と長引く戦争。

紛争ーー

それは、揉めごとや争いごとを表す言葉。

裁判などにおける紛争や、経済における紛争、国際関係における紛争など、複数の主体が激しく対立している状態を指します。

 

今回の記事では、武力衝突による紛争について述べることにします。

但し、この武力による紛争も意味が広く、国内での内戦から国際法上における対立する国家間での戦争を含みます。

 

私たちが今こうやって生活している瞬間も、紛争で多くの命が奪われています。

 

シリア、アフガニスタン、イラクなど、毎日のようにテレビで世界の紛争について報道されていまよね。

 

紛争はなぜ起きる?

日本では武力による紛争は、国際的なものでいえば1941年から1945年に起きた第二次世界大戦(太平洋戦争)です。

ポツダム宣言を受諾し無条件降伏した日本は、1947年に憲法9条を掲げ、二度と戦争をしないことを誓いました。

第2章 戦争の放棄

第九条【戦争放棄、軍備及び交戦権の否認】

日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

参考:日本国憲法

 

日本はどのような国際問題に直面しても、国の方針として「戦争」という選択肢は永久に放棄するので、その「戦争」に必要な軍備は一切持たない、ということになります。

2018年現在も、日本は戦争を起こしていませんし、参加もしていません。

 

しかし、世界では未だ紛争が起きている国が多くあるのが現実です。

 

なぜ、紛争が起きるのでしょうか?

原因は一体何でしょうか?

 

紛争の要因

 

歴史的な背景

外国に支配されていた植民地時代には、関係ない民族同士を統合したり、民族や国境を意図的に分割することがありました。

このような不自然な境界線のために、一つの国としてまとまらず、安定しない場合があります。

 

国内の問題

国そのものが貧しい場合は、国民の不満も大きく、紛争を招きやすくなります。

また、一部の権力をもった個人や民族または宗教だけに有利になるような政策がとられた場合は、不平等を感じたグループから不満が高まり、紛争につながることがあります。

少数民族の独立運動を多数民族が武力弾圧した結果、紛争へ発展することがあります。

 

外国からの干渉

アメリカ合衆国とソ連が対立していた冷戦の時代には、それぞれの国が自分の味方を増やそうとしてよその国に介入していました。

現在でも石油などの資源をめぐり、自分の国に有利になるように外国が介入したり、自分の領土だと主張して攻め入るなどの紛争も起こっています。

 

経済的な動機

武器商人は武器を売るために紛争を拡大しようとします。

資源の需要を引き上げるために起こる紛争もあります。

外国の資源の豊かな領土を得るために紛争を始める場合もあります。

 

その他の特殊な状況

人口密度が高い地域においては、水や食べ物の奪い合いで紛争へと発展する場合があります。

参考:世界の様々な紛争

上記が、紛争が起こる主な原因となっています。

また、紛争が起こる原因は上記に挙げた中のどれか一つではなく、いくつかの要因が複雑に絡み合って紛争が起きます。

 

また、2000年代の紛争の特徴は、同じ国内で繰り返し発生し、長い間続くのが特徴です。

兵士

2018年、今起きている紛争は?

小さな紛争から大きな紛争まで全て確認することはできかねるため、過去1年間で1万人以上が死亡した大きな紛争を二つ紹介します。

・アフガニスタン戦争

この戦争は、1978年から現在まで40年以上断続的に続いています。

外務省が発表している海外安全ホームページでも、現在アフガニスタン全土に対して最も高い危険レベル4(退避勧告)が出ています。

 

アフガニスタンにおいては,タリバーン等の反政府武装勢力によるテロ・襲撃等が多発しており,一般市民や外国人も巻き込まれる事件が相次いでいます。

また,下院選挙等の実施(現時点で本年10月20日)が予定されており,治安情勢は一層不安定になる可能性があります。

目的の如何を問わず,渡航は止めてください。

参考:外務省/海外安全ホームページ/アフガニスタン

 

この国では、反政府武装勢力らが各地で攻撃を繰り返しており、大変厳しい治安情勢が続いています。

治安部隊による警備・警戒が特に強化されている首都カブール市内でも、銃撃自爆攻撃等のテロ攻撃が多発しています。

政府関係者、議員、軍・治安部隊、駐留外国軍、各国の大使館・総領事館等が主な攻撃対象となっているほか、一般市民や外国人も巻き込まれる事件が相次いでいます。

 

誘拐,強盗等も発生しています。

特に誘拐について,外国人は反政府武装勢力,犯罪者集団等から標的とされやすく,主に早朝,夜間に車で移動中に武装集団に襲撃され,拉致されるケースが多く見られます(同乗しているアフガニスタン人は誘拐されていません。)。

また,警備が脆弱な事務所又は宿舎が襲撃され,誘拐されるケースもあります。

警察当局は,外国人が所属するNGO事務所等に対して,誘拐の防止に向け,事務所や住居への監視カメラや警備員の配置,移動の経路や時間帯の頻繁な変更,身辺警護員の同行及び可能な限りでの防弾車の利用等の勧告を行っています。

参考:外務省/海外安全ホームページ/アフガニスタン

 

このように、とても安心して生活できないような日々が長期的に続き、人々の生活は常に危険に晒されています。

 

・シリア内戦

「21世紀最大の人道危機」と言われるシリア内戦。

この国もアフガニスタンと同じく最も高い危険レベル4(退避勧告)が出ています。

2011年の「アラブの春」の一環として始まったこの内戦ですが、2018年今現在もまだ続いています。

 

民主化を求める市民と、大統領のアサド氏による政権との対立は、やがて武力を伴う紛争へと発展。

アサド政権と反体制諸派のそれぞれを支援するために様々な国や組織が介入し、紛争は複雑化・長期化し今に至ります。

 

2012年8月,シリア北部アレッポ市で取材中の日本人ジャーナリストが銃撃に巻き込まれ死亡する事件が発生し,2015年1月20日には,シリアにおいて拘束されていた2人の日本人の映像がISILによりインターネット上に公開され,その後,殺害されたとみられるテロ事件が発生しました。

ISILが同年2月1日に公開した映像の中で,今後日本人が同組織の攻撃の標的となる旨警告しています。

また,同年6月にイドリブ県にて拘束された日本人男性は,2018年10月に解放されるまで3年以上にわたり拘束されました。

上記のとおり,依然としてシリアでは危険な状態が続いています。

参考:外務省/海外安全ホームページ/シリア

 

また、シリアにおける治安情勢の悪化に鑑み、平成24年3月21日をもって在シリア日本国大使館は一時閉館し、今現在在レバノン日本国大使館内在シリア大使館臨時事務所が緊急連絡先として指定されています。

大使館も閉鎖せざるに負えないほど、シリアの治安は最悪だといわれています。

2018年、今一番危険だとささやかれている紛争、コンゴ内戦

第二次世界大戦以降に起きた紛争で、死者540万人という最も多い犠牲者を輩出している国、コンゴ。

コンゴ紛争によって犠牲となった540万人の9割以上は、直接的な戦闘によるものではなく、病気、また飢えが原因で亡くなっています。

皆さん、コンゴという国があることはご存知でしょうか?

コンゴ民主共和国(旧名ザイール共和国、以下コンゴ)は、周囲をルワンダ、スーダン、プルンジなど9カ国に囲まれたアフリカ中部の国です。

アフリカ大陸で3番目に広い国土を持つコンゴは、赤道直下に位置し、全国土の約60%が熱帯雨林に覆われており、また、銅やダイヤモンド、石油などの天然資源に恵まれています。

1960年、ベルギーから独立したコンゴでは、1965年のクーデターによってモブツ政権が成立、同国は約30年間にわたって独裁政権下に置かれました。

この間、経済状態は悪化し、国民の政府に対する不満は高まっていきました。

1997年、反政府組織が隣国のルワンダとウガンダの支援を受け、首都キンシャサを制圧、モブツ政権は崩壊しましたが、翌年の1998年、政府軍と反政府勢力との対立に、コンゴが有する豊富な鉱物資源に目をつけたアンゴラやジンバブエ、ナミビアなどの周辺国が加わり、国際紛争にまで発展しました。

2003年、紛争は終結、暫定政府が成立し、2006年には正式政府が発足したものの、政府軍と反政府軍との間での戦闘は絶えず、政情は依然として不安定です。

参考:ケア・インターナショナル公式ホームページ/コンゴ民主共和国

コンゴが抱える問題とは?

90年代から続いた紛争により国内経済は病弊し、現在も国民の80%以上が1日1ドル以下の生活をしていると言われており、食糧不足が深刻です。

社会インフラも荒廃し、保健医療体制は整備されておらず、特に乳幼児の健康改善は緊急の課題となっています。

教育面においても、教育内容の質および教育設備ともに劣悪で、教師や教材も不足しています。

国家の予算不足から公立学校の経費も生徒の保護者の負担に依存しており、国民の大半が1日1ドル以下の厳しい生活を送る中、教育にあてる費用を確保するのは難しく、義務教育の就学率は極めて低い状況です。

また、10年間にわたる紛争により400万人以上もの犠牲者を出しただけでなく、多くの難民・避難民を生み出しました。

さらに、女性や少女はレイプ・虐待などの激しい暴力を受けており、また民兵組織により子どもが戦闘への参加を強いられるなど、女性や子どもが紛争の犠牲となっています。

参考:ケア・インターナショナル公式ホームページ/コンゴ民主共和国

 

栄養失調、こども兵

2017年12月12日、UNICEF(ユニセフ)によると、コンゴの中でも特に危険な地域とされているカサイ地区では、少なくとも40万人の5歳未満のこども達が重度の栄養失調で苦しんでおり、救命救助されない限り、2018年中(余命1年)に亡くなる可能性がある警告しました。

今、コンゴはこども達の命を救うべき保健施設も荒廃しており、重度の栄養失調のこどもたちに治療やケアを提供することが、より困難になっています。

220あった保健センターが破壊・略奪・破損され、保健医療システムへのアクセスが低下し、麻疹のような伝染病の拡散リスクが高まっています。

 

また、コンゴでは「使い捨ての道具」として多くのこどもたちがこども兵として働かされます。

銃を与えられたこども同士が銃口を向け合い、殺し合うのです。

 

また、人間地雷探知機として地雷が埋まっていそうな場所を歩かされたり、新しいこども兵を探すために、他のこどもの誘拐を命令されます。

 

また、軍隊によっては、麻薬やアルコールで子ども兵を洗脳するところもあり、彼らは肉体的にも精神的にも大きな傷を負うことになるのだ。

仮に軍隊を脱退することができたとしても、幼い頃に教育の機会を奪われ、戦うことしか教えられてこなかった少年兵たちが、一般社会で生計を立てることはとても難しい。

それどころか、家族や地元の人々から偏見や差別を受けるなど、厄介者として扱われることもある。

従軍中に麻薬やアルコールの中毒となってしまった元子ども兵は、社会復帰もさらに難しくなる。

参考:原貫太オフィシャルブログ/コンゴ、4歳の子供をレイプ 女性にとって最悪の場所 アフリカ最大の紛争

 

幼い女の子への強姦

1日で数百人もの幼い少女や女性が強姦の被害にあうこともあるという。

精神的にも、肉体的にも傷つけらえた少女、女性はやがて差別や偏見に苦しみもがくのである。

 

先ほど紹介したシリアやアフガニスタンはテレビで放映されていますが、コンゴが今こういう状況に陥っているのはあまり放映されないのが現実です。

 

コンゴの未来を変えるために

コンゴの未来を変えるため、コンゴ現地で精力的に活動しているNPO団体があります。

国際協力NPO、ケア・インターナショナルです。

ケア・インターナショナルは、現在、アジア、アフリカ、中東、中南米など世界70カ国以上の途上国や紛争地域に現地事務所を置き、活動を行っています。

炎のマークがある地域に事務所がおかれています。

ケア_支援地域

参考:ケア・インターナショナル公式ホームページ/CAREの支援地域

もちろん、コンゴでも活動しています。

コンゴで、ケア・インターナショナルが特に力を入れているのが、長年に渡る紛争の影響を受けた人々の支援です。

・質の高い教育へのアクセス向上

・綺麗な水や公衆衛生へのアクセス確保

・食糧やシェルターの提供

などに取り組んできました。

 

さらに、こども兵として強制的に働かされたこども達のケアにも重きを置いています。

幼いころに一度兵士として働いた子ども達は、戦場での経験がフラッシュバックしたり、トラウマを抱えているこどもが多くいます。

多感な時期に銃を持って戦場で戦ったこども達は、繊細な心に深く傷が刻まれており、普通の生活には簡単に戻ることができません。

ケア・インターナショナルは、心に深い傷を抱えたこども達のために、また普通の社会に復帰できるよう、寄り添ってサポートします。

 

その他にも、伝染病の一つであるコレラ治療を行うセンターを運営し、伝染病患者の治療を行っています。

また、暴力や強姦の対象となっている少女や女性を保護し、食のサポートをするだけではなく、カウンセリングなども行い、社会に復帰できるようケアしています。

 

これらの活動は全て、支援者からの心温かい寄付から成り立っています。

コンゴの厳しい現状を知った今、応援してみませんか?

 

 

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