アメリカ人が日常的にチャリティー活動をする本当の理由とは

アメリカ人が日常的にチャリティー活動をする本当の理由とは

きふるでは海外の記事を翻訳し海外の寄付状況をみなさんにお伝えします。

 

以前「一番優しい国はどこ?世界社会貢献ランキング」でご紹介したように、アメリカは寄付大国と言われています。

ですが

「お金持ちだから寄付できるんでしょ?」

「こんなに慈善活動ををしているのはアメリカ人の中でも一部の人でしょ?」

と思っている方も少なくはないはずです。

そこで今回は、アメリカの寄付文化について調査してみました。

自由の女神

アメリカについて

皆さん、アメリカに対してどういったイメージをお持ちでしょうか?

アメリカ=自由の国?

アメリカ=ハンバーガー?

いかがでしょうか。

 

世界の経済の中心のイメージがあるアメリカですが、実はたくさんの社会問題を抱えています。

一つ挙げるとすると、貧富の差です。

 

社会問題<貧富の差>

アメリカでは貧富の差が先進国の中でも特に激しい国だといわれています。

In order to define and quantify poverty in America, the Census Bureau uses ‘poverty thresholds’ or Official Poverty Measures (OPM), updated each year.

In September 2017, more than one in every eight Americans were living in poverty (40 million, equal to 12.7% of the population).

And almost half of those (18.5 million) were living in deep poverty, with reported family income below one-half of the poverty threshold.

参考:UNITED NATIONS HUMAN RIGHTSStatement on Visit to the USA, by Professor Philip Alston, United Nations Special Rapporteur on extreme poverty and human rights*

筆者訳:””アメリカ国勢調査局が2017年9月に発表した報告によると、8人のアメリカ人のうち1人が貧困状態にあるそうです。

(アメリカの貧困者数は4,000万人で、アメリカ全体の人口の12.7%に相当する、という計算に基づいています)。

そのうち約半数(1,850万人)が深刻な貧困状態にあり、家計所得は貧困線の二分の一です。””

貧困線とは

貧困線(ひんこんせん、英: poverty line、poverty threshold)は、統計上、生活に必要な物を購入できる最低限の収入を表す指標。
それ以下の収入では、一家の生活が支えられないことを意味する。貧困線上にある世帯や個人は、娯楽や嗜好品に振り分けられる収入が存在しない。

参考:Wikipedia「貧困線

””We are the 99%””

アメリカの貧困状態を表す、有名なスローガンを皆さんご存知でしょうか。

””We are the 99%””

これは、2011年にアメリカでリーマンショックが起きたときに、ウォール街を占拠するデモに参加者たちが掲げていたスローガンです。

1970年代から、アメリカ全土において、国民の上位1パーセントの富裕層が所有する資産が増加し続けている状況を表しています。

つまり、アメリカ人の1%はますます豊かになり、99%はますます貧しくなっているんだという主張ですね。

この主張から、アメリカの貧富の格差が分かります。

 

『分断した世界』(集英社)には、

アメリカでは、富裕層に富が集まり続けている。

アメリカ人上位1%の総資産は、残り99%が持つ資産の総量よりも多い。

2008年のリーマン・ショック後、2009年から2011年の間に純資産が増えたのはトップ7%の富裕層だけで、貧富の差が一気に拡大してしまった。

参考:Business Journalもはや格差ではなく『身分』。アメリカで深刻化する貧富のかい離の実態

とあります。

ここに関しては、また別の記事にしたいと思います。

デモ

日常的に寄付をする国、アメリカ

そんなアメリカは、寄付をたくさんする国だといわれています。

Most Americans Practice Charitable Giving, Volunteerism.

Eighty-three percent in U.S. donated to charity within past year; 65% volunteered.

参考:GALLUP「Most Americans Practice Charitable Giving, Volunteerism

筆者訳:””ほとんどのアメリカ人が慈善活動、ボランティア活動を実践しています。

アメリカの83%が昨年に慈善団体に寄付しました。65%の人がボランティアに参加した””

そうです。

多くのアメリカ人がなんらかの寄付や社会貢献活動をしているんですね。

募金額は人それぞれですが、ほとんどのアメリカ人は社会貢献活動をしているということが分かりました。

 

税制優遇

個人寄付総額

日本(2016年) アメリカ(2016年)
7.756億円 30兆6.664億円

参考:日本銀行(a,b),Charities Aid Foundation(2017),Giving USA Foundation(2017a),Shinhye Song(2016)

注:ドルからの円換算額は、日本銀行外国為替市況の参考計数(東京為替市場における取引状況)より2016年中の平均レート(中心相場)

 

 

法人寄付総額

日本(2016年) アメリカ(2016年)
7.909億円 2兆182億円

参考:日本銀行(a,b),Charities Aid Foundation(2017),Giving USA Foundation(2017a),Shinhye Song(2016)

注:ドルからの円換算額は、日本銀行外国為替市況の参考計数(東京為替市場における取引状況)より2016年中の平均レート(中心相場)

 

 

個人と企業に分けてみてみると、日本では個人寄付は7.756億円、法人寄付7.909億円。

一方、アメリカは個人寄付30兆9,920億円、法人寄付2兆182億円。

アメリカでは法人からの寄付よりも、一人ひとりの寄付額が多いのです。

 

その理由の一つは、税制優遇があるから。

寄付をすることで、所得税が安くなるのです。

 

日本でも、認定NPO法人や、社会福祉法人に寄付をすると、一定の税金控除が認められています。

実は日本の寄付金控除制度も、アメリカの制度をモデルとして作られたとか?

日本の税制度について、詳しくは「寄付で節税!?お金が帰ってくる!寄付金控除のしくみ」へ。計算機

キリスト教の精神

キリスト教の経典の聖書には、他人に手を差し伸べることを促す文章が、経典のいたるところで見受けられます。

キリスト教における経典、旧約聖書にはこのようにかいてあります。

《レビ記》19章18節

「あなた自身のようにあなたの隣人を愛さなければならない」

《マタイによる福音書》22:39

「イエスは、神を愛することとともに、この隣人への愛こそもっともたいせつな戒めだと教えた」

《ルカによる福音書》10:25

「今助けを必要としている人の隣人になってあげることにその意味があるとして、善きサマリア人のたとえを語った」

キリスト教の教えに基づいたチャリティー精神が日常生活に染みついています。

宗教と寄付の関係については「なぜ与える?寄付の宗教的ルーツを調べてみた」で詳しくご紹介しています!

 

キリスト教

チップ文化

アメリカには日本にはないチップ文化がありますよね。

このチップ文化も、アメリカ人の一つのチャリティー精神だと筆者は考えます。

店員さんに親切な対応をされて嬉しかった場合や、ホテルでホテルマンに荷物を運んでもらった時など、感謝の気持ちとしてチップを渡す、などありますよね。

筆者も大学生のときアメリカに行ったのですが、日本にはないチップ文化が分からず、どのくらいの額を、どのタイミングで、どんな風に渡せばいいのか、慣れるまで時間がかかりました。

海外のリゾート地でも、サービス料としてお会計のおよそ10%の金額がもう自動的に入っているパターンもよくあります。

このチップ文化も、アメリカでは義務となっていると聞きますが、ほとんどの場合は「自分が受けたサービスが気持ちよかったからその気持ち分をチップとして払う」という方が多いようですね。

チップの金額も、サービスする側としては金額が多いほうがもちろんうれしいですが、別に金額が決まっているわけではないんです。

「他人に自分の気持ちをお金に乗せて届ける」という行為が、アメリカ人の寄付文化にも結び付くのではないかと思います。

※あくまでも筆者の考えです。

チップ

気持ち、動機が大切

寄付=寄付金額が大きいほうがいい、ということでは決してありません。

寄付金額は人それぞれでいいんです。

「人のために動く」「人のために寄付してみる」という行動や動機が素晴らしいことであると筆者は思っています。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。

同じ先進国でも、抱える社会問題や税制に違いがたくさん見受けられましたね。

日本でも、税制が変われば、もっと寄付金額が集まるかもしれませんね。

 

 

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