東日本大震災の募金はなにに使われた?震災復興支援まとめ

東日本大震災の募金はなにに使われた?震災復興支援まとめ

阪神淡路大震災は「ボランティア元年」、東日本大震災は「寄付元年」と言われています

日本ファンドレイジング協会の「寄付白書2017」によると、
日本における個人寄付の総額は2010年で4874億円。しかし、震災のあった2011年には10182億円と2倍以上に跳ね上がりました。

かくいう筆者も、東日本大震災のときにはじめて自分の意志で募金をしました。
では、このときに集められたお金は一体どんな風に使われたのか気になりませんか?

「募金詐欺」なんて言葉も聞くし、もしかしたら変なことに使われたのかも…
なんて心配してしまう人もいるかと思います。

そんなあなたのために、東日本大震災のために集められた寄付金は、どんなことに使われているのかをまとめました!

そもそも義援金、支援金の違いって?

震災のとき、義援金、支援金ってよく耳にしましたよね。
どちらも地震などの災害で、被災した人々や地域を助けるためのお金として、頻繁に使われます
でもこの2つ、実は全く違うものだったって知ってましたか?

義援金は被災者へ直接送られるお金のこと。
赤十字・赤い羽根共同募金・自治体・テレビ局などが受け付けていますね。

被災した自治体から被災者に直接、「見舞金」として支払われます。
被害状況を調査してから支払われるため、被災者に届くまで時間がかかってしまうのがデメリットである一方、被災者に平等に配られるのがメリットとされています。

支援金は、応援したい団体(NGOやNPO)を選んで寄付するもので、人命救助やインフラの整備などの緊急支援のために使われます。
ですので義援金よりも早く、被災者に届けることができます

支援金の使い道は団体に任せることになってしまうのですが、現場にいる人たちが「いまはなにが必要なのか?」と、使い道を臨機応変に考えることができます

余談ですが「寄付」と「募金」も、少しだけ意味が違います。
言葉の意味について、詳しくは「寄付?募金?義援金?寄付にまつわる言葉を調べてみた」の記事にまとめてあります。

NPOによる支援

NPOには、行政と民間の穴を埋める役割をしています
そして一番の特徴が、支援をする人と支援を受ける人の距離が近いということ。

国内のNPOをまとめる日本NPOセンターでは、「東日本大震災現地NPO応援基金」が集められました。
そのお金は、避難所の子どもたちのレクリエーション活動、震災で家族を亡くした人々への心のケアなど、さまざまな活動に生かされました

東日本大震災では、多くのボランティアが活躍。
今回はその一部をご紹介いたします。

桜ライン311

参考:認定NPO法人桜ライン311公式ホームページ

認定NPO法人桜ライン311は、陸前高田市に拠点をおいて活動しているNPO法人です。

東日本大震災で発生した津波の到達ラインに桜の木を植え、津波の被害と教訓を次の世代に残しています。

 

桜ライン311については、こちらの記事でも取り上げています。

『津波が来たら桜より上に逃げよう』3.11の教えを残す|桜ライン311

活動実績や支援の方法などについてもご紹介しています。

 

カタリバ

NPO法人カタリバでは、被災地の子どもたちに学習支援と心のケアを行う「コラボ・スクール」を運営しています。

被災直後、狭い仮設住宅では勉強する場所もなく、外で勉強をする子どももいたそう。
そんな子どもたちに落ち着いて勉強をする場所を提供しようと、被災地の子どもたちのための放課後学校がつくられました。

「コラボスクール」は宮城県女川町と岩手県大槌町、福島県広野町、熊本県益城町の4つの地域で運営しています。

 

よりそいホットライン

大きな災害のあとは物資や住居の支援だけでなく、こころのサポートも必要になってきます。

一般社団法人社会的包括サポートセンターとは、東日本大震災をきっかけとして、さまざまな困難を抱えている人、セクシャルマイノリティやホームレス、高齢者などなんらかの生きづらさを抱えている人の心のサポートをしている団体です。

活動の肝となるのは「よりそいホットライン」。
2012年の3月11日に開始されました。

各悩みごとのダイヤルがあり、電話相談の専門員と話すことができます。

 

NPO法人SORAアニマルシェルター

SORAアニマルシェルターとは、犬・猫等の動物の救助、保護を行う団体です。

当団体は、震災以前から動物福祉向上を目的に活動していました。
震災がおきてすぐ、公的機関が動物用シェルターを設置するよりもはやく、シェルターを運営したそうです。

現在は、被災した動物たちの救護や保護だけでなく、
飼い主がわからなくなってしまったペットの、新しい飼い主を探しもしているそうです

赤い羽根共同募金

10月1日から翌年3月31日までの6か月間、全国一斉に行われる募金活動「赤い羽根共同募金」。
ここで集められたお金は、子どもたち、高齢者、障がい者などを支援する福祉活動、そして、災害時の支援に使われます。

募金をするともらえる赤い羽根欲しさに、募金をしたことがある、という人もいるのではないでしょうか?

 

赤い羽根共同募金について、くわしくはこちらの記事へ

赤い羽根共同募金とは?羽の不思議や募金の使われ方

 

ここでは、赤い羽根共同募金で集められたお金は、東日本大震災でどのように募金が使われたのかをご紹介していきます。

 

震災遺児修学資金

復興庁のデータによると、震災でひとり親となった児童は岩手、宮城、福島の3県で1537人、震災で両親を亡くした児童が241人だそう。
児童相談所を通じて、親族、里親、児童養護施設へと引き渡されました。

親を亡くしたこどもたちの抱える課題は数多くありますが、その中のひとつが「進学」です。
日々の生活もままならない状況で、進学資金をやりくりするのはとても大変なこと。
そこで、震災で親をなくしたこどもたちに対して、返済義務のない震災遺児修学資金が、赤い羽根共同募金から給付されました。

災害ボランティアセンター支援

被災地では、ボランティア活動を効率よく行うため、災害ボランティアセンターが設立されました。
その数なんと150カ所。
日本だけでなく、世界中から多くのボランティアが駆け付けました。

赤い羽根共同募金では、災害ボランティアセンターに対して、総額8億8000万円の支援を行いました。

日本赤十字社による支援

赤十字社とは戦争や自然災害時に傷病者救護活動を行う人道支援団体のことです。
赤十字病院の運営、献血事業、災害救護活動などを行います。
世界各国にあり、国際的な協力関係を持っています。

日本赤十字社には、世界中から寄付が集まりました。
公式ホームページによると、なんと総額1001億円。
石油の産油国クウェートからは、400億円分の原油が無償で提供されました。

これらのお金、物資は一体どのようにして活用されたのでしょうか。
日本赤十字社の東日本大震災活動レポートをみてみましょう。

 

緊急支援

日本赤十字では、災害がおきたとき、被災者を救護するためのスタッフが派遣されます。
東日本大震災でも、医療救護、食料、燃料、毛布などの物資分配、血液製剤の供給などが行われました

このとき、即座に対応できたのは、日頃から緊急セットを備蓄しているから。
赤十字運動月間キャンペーンで集められる寄付金をもとに、各都道府県にある赤十字社が日頃から支援物資の備蓄をしているそうです。
各都道府県にある支部が、地域それぞれの特徴を考慮しつつ、必要なものを常に用意してあるんです。

 

復興支援

震災から1カ月、避難所から仮設住宅へと生活環境が変わる時期から、生活再建や教育、医療、福祉の分野で赤十字の復興支援事業がスタートしました。

世界中から赤十字に寄せられた救援金の総額は1001.3億円。
行政と支援が被ってしまわないよう、被災地のニーズを調査しながら支援の方向性を決めていきました
さらに震災から2か月たった5月には、世界各地から赤十字関係者が集まり被災地を訪問しています。

日本赤十字では、復興支援をするにあたって、6つの復興支援基本計画を決定しました。

 1. 国際赤十字のネットワークを効果的に活用する
 2. 被災地域が広大なため、支援が偏らないよう公平に、そして迅速に進める
 3. 国や県、市町村、他団体と協調して地域ニーズに応える
 4. 国内外に対する説明責任を果たす
 5. 日赤の資源を最大限に活用し、ハード・ソフトの両面から支援する
 6. 地域に根づく活動として継承していく

参考:日本赤十字社 東日本大震災活動レポート

この基本計画にそって、被災者の復興支援のために次のことが行われました。
仮設住宅の家電、介護用ベッド、仮設診療所の整備、遠方に通うこどものためのスクールバス、被ばく量測定器の整備など、さまざまな分野で活用されました。

 

生活再建

仮設住宅での暮らしを支えるための支援。

  • 生活家電の寄贈

冷蔵庫や洗濯機などの生活必需品を仮設住宅の入居者に寄贈され、合計13万世帯に届けられました。

  • 集会所やグループホームの環境整備

これまで住んでいた家から離れ、ご近所さんとの離れ離れになってしまった人が多くいました。
そこで、集会所やグループホームなど、人々が集まるコミュニケーションの場の整備が行われました。

  • こころのケア

大切な人が亡くなってしまったり、住んでいた家を離れて暮らしたりと、大きな災害の後は誰しもストレスを抱えてしまいます。
そんな方々の負担を軽減するために、看護師や臨床心理士による傾聴などが行われました。

 

福祉

高齢者や障害のある方のための支援です。

  • 介護士の派遣、介護ベッドの整備

震災のあと、被災した施設から被災を免れた施設へと、入居者の転居が行われました。
そうすると必然的におこるのが、介護士やベッドの不足です。
とある地域では、床にマットレスを引いた状態で、介護をしていたとか。
このような状況下ではでは、入居者だけでなく、介護をする側の身体の負担も大きくなってしまいます。

そこで、日本赤十字社では、介護スタッフの派遣や、介護用ベッドの整備が行われました。

 

教育支援

  • 屋内遊び場「赤十字すまいるパーク」

放射線の影響で、外で遊ぶことができない子どもたちのために、屋内で体を動かすことのできる広場を作りました。

  • スクールバスの寄贈

仮設住宅へと移り住んだ子どもたちの多くが、長距離の通学を余儀なくされました
ある学校では、車を使っても1時間の距離だとか。
少しでも通学の負担を減らすために、スクールバスの寄贈がされました。

 

次の災害に備えて

避難所生活では、プライバシーがない、衛生環境が良くない、などの新たな課題が浮かび上がりました。
この教訓をいかし、災害に対応する能力の強化を図りました。

  • 防災倉庫の寄贈

被災した自治体を調査し、トイレや発電機、プライバシーを守るための仕切りの設置などを備えた防災倉庫を寄贈しました。

  • 救護力をパワーアップ

東日本大震災のとき、電話やメールなどの通信手段がほとんど使えなくなってしまったのは、記憶に新しいと思います。
どこの避難所に急病人がいるのか、どこの病院に治療のできる医師がいるのかなどの情報を速やかに把握できるかが、支援の要となってきます。

震災での経験を活かし、情報収集をスムーズに行えるよう、通信伝令車の通信システムの強化を行いました。

さいごに

前代未聞の自然災害に対し、世界中からたくさんの支援が届けられました。
しかし、いまも完全に復興したとは言いきれません。

震災の記憶は段々と薄れていきますが、大切な人を失ったこと、大切なふるさとを離れてしまった悲しみはそう簡単に薄れるものではありません。

復興のためにできる支援は、まだいくつもあります。
まずはあなたのできることを考えてみましょう。

 

 

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