「はじめは視察だった」会社員がファンドレイザーになるまで

「はじめは視察だった」会社員がファンドレイザーになるまで

きふるでの寄付とは、言葉の通り「寄り添うこと」。

現金の支援だけでなく、ボランティアで時間をさく、フェアトレード商品を買うなどの社会貢献活動を総括して、「寄付」と呼んでいます。

 

ではボランティアをしている人って、どんな人なんでしょうか?

きふるでは、ボランティアを始めたきっかけなど、彼らのアタマの中を分解していきます。

今回お話を聞いたのはどんな人?

子育てを「まちの力」で豊かにしていこうと活動する「こまちぷらす」

戸塚駅すぐ近くの商店会にある「こまちカフェ」は、地元でも有名なカフェです。

 

今回お話を伺ったのは、こまちぷらすファンドレイザーの佐藤貴美さん。

 

※ファンドレイザーとは、非営利団体で、社会課題を知っていただき、その解決方法に共感してもらうことで、一般市民の方々に仲間になってもらったり、共に課題を解決する人を増やす働きかけをしたりする人のことを指します。

ファンドレイジングとはNPO、学校法人などの非営利団体が、活動のための資金や共感者をあつめることを指します。

 

こまちぷらすについては、こちらの記事でも詳しく取り上げています!

子育てを『まちで』プラスに|こまちぷらすインタビュー

はじめはブックマーク登録から

——佐藤さんがこまちぷらすに関わったきっかけは何なのでしょうか。

 

第一子の出産が2012年でした。

それまでは、都内の外資系民間企業で働いていました。

産休に入って、一番初めにブックマーク登録した子育て情報サイトがこまちぷらすだったんです。

 

その後は全然サイトを見ていなかったんですが、出産して1か月くらいたってから、「どうやらカフェをやっているらしい」と知りました。

けれど、なかなかカフェには足を運びませんでした。

 

横浜市の調査で、子育てをしている人のうち7割が「はじめての子どもが生まれる前に、赤ちゃんの世話をしたことがない」というデータがあるんですね。

私もその一人でした。

正直、子育てってどうしたらいいのかわからないし、一日も早く復職したいと思っていました。

 

お客さんではなく”視察”として

そんな状況で、たまたま「ソーシャルビジネスフィールドワーク」 というイベントに参加しました。

横浜市の「地域の中の社会課題にビジネスという手法で取り組む事業者」を視察に行こう、というもので、その視察先がたまたまこまちカフェだったんです。

 

どうしてそんなイベントに興味を持ったのかというと、もともと働いていた企業が、市場調査をする企業だったんですね。

丸一日働いて、下手すれば土日も仕事を気にかけなくちゃいけなくて。

「このままずっとここにいるのかな?ちょっと外の世界も見てみようかな」という気持ちがありました。

 

ママ友とか苦手だし、ご近所づきあいとかも苦手だったので、「カフェに行ってみよう!」とストレートには思わなかったです(笑)。

「どうせ復職するから友達とかいらない」って、だいぶ冷めた人間でした。

だから、はじめはカフェのお客さんではなくて視察だったんですよ

 

参加者のほとんどが区役所の方とか、保健師の方とか、地域の中の社会課題に興味ある方々だったんですけれど、その中で一人、6ヶ月の子どもを抱っこして参加しました。

 

そこで代表のプレゼンをきいて、ランチを食べさせてもらって「なんかすごいなこの団体」って思いました。

 

カフェに通い始める

代表のお話をきいて、感銘を受けて、その日のうちに「なにか出来ることはないですか?」とメールをしたんですが当時の私にできることはなかったんですね。

当時募集していたのは、ご飯が作れる人、小物が作れる人、子守ができる人のようなものだったと思います。

今みたいに、細かくボランティアの仕事を分けていなかったので。

私のような「事務だけできる人」は募集していなかったんです。

 

いろいろ見ていくうちに、もしかしたら「寄付」という支援の形があるかも、と気づくことができたので、自分ができることとしてカフェでご飯を食べたり、食べ終わったあと毎月少しずつ寄付をしたりしていました。

 

当時はまだオンラインで寄付ができなかったので、寄付をするために足を運んでいましたね。

 

民間企業へ復職した約1ヶ月後、戸塚区地域子育て支援拠点とっとの芽 で子育てサポートシステムの常勤の募集があったので、応募しました。

 

勤めていた市場調査の会社は、復職して4カ月で辞めたんですよね。

それからしばらくは、こまちカフェに関わりはありませんでした。

とっとの芽

とっとの芽

「NPO法人子育てネットワークゆめ」と横浜市戸塚区が協同で運営している子育て支援拠点。

 

2015年に2人目が産まれ、また産休・育休で暇になったので、こまちカフェにきてごはんを食べていました。

 

産休・育休の時期って、個人的には、とにかく暇だったんですよね。

「なんかできることないですか!?」って、ひたすら聞いていました。

 

そのころにはもう、こまちぷらすの事業も安定していていたので、ボランティアの種類もたくさんあって。

そのご縁から、Facebookで東戸塚近辺のお店を紹介するとか、おしゃべり会に参加するとか、0歳児を連れていてもできるお手伝いをしていました。

 

本でファンドレイザーを知る

同じ時期に、たまたまフローレンスの駒崎さんの『社会を変えるお金の使い方 -投票としての寄付 投資としての寄付』という本を読んで、初めてファンドレイジングという言葉を知りました。

翌月に日本ファンドレイジング協会の研修にまだ空きがあるのを知って、参加しました。

「行ってみて興味なかったら別にいいや」という気持ちで、子どもを親に預けて行ってきました。

 

そこでファンドレイジングって面白いなぁと思いました。

そのあと、こまちカフェでごはんを食べながら「このあいだファンドレイジングの講習会に行ってきたんです」と話してたら、「もっと詳しく話を聞かせて!」と声をかけられて。

研修で聞いた話と、こまちぷらすでできることを少しずつ提案していきました。

 

こうしてファンドレイジング担当として、こまちぷらすに深く関わるようになりました。

社会貢献する人の気持ちがわからなかった

——-はじめは地域とか、ボランティアとか、あまり興味はなかったんですね。

 

正直、長く民間企業で働いていたので、稼ぐことしか考えていなかったんですね。

 

東日本大震災のときですら、私はお金の寄付をしていないんですよ。

自分の財布からお金を出すというのに、ものすごく抵抗がありました

 

お金が稼げないのにボランティアする人の気持ちが全然わからなかったです。

本当に、ボランティアとか寄付とは関わりがなかった。

 

フルタイムで働きながらボランティアやプロボノとしての活動をしている人もいますが、当時の私には全く選択肢になかった。

けど、どもが産まれてから、変わりましたね

 

——-興味がなかったときに、こまちぷらすの代表のプレゼンの話をきいて心が動いたとありますが、その時はどんなお話を聞いたのでしょうか

 

能力があるけど、時間の制約で働くことができない人がいること。

働く or 働かない だけではないこと。

当時こまちカフェでは地産地消として、近隣区の農家さんが作った野菜も使ってランチを提供している話、とかですね。

どれも新鮮なお話でした。

 

働く人達を自分たちの地域で創生するモデルとか、それで事業がまわる仕組みを作っているという話をきいて、「すごいな」と感銘を受けました。

お金を稼ぐことしか考えていなかった自分が恥ずかしくなったくらい

 

障がいを持ったお子さんと触れ合ったり、そういった方々が抱えている課題を知ったのも、実はここに来てからなんです。

いろんな状況の人がいるんだ、ということをここで学ばせてもらいました

 

——-お子さんを産んで、こまちぷらすに関わっていくうちに、どんどん考え方が変わっていったんですね。お話ありがとうございました。

 

編集後記

佐藤さん、お忙しいなかインタビューへのご協力ありがとうございました。

 

こまちぷらすについては、こちらの記事でも詳しく取り上げています!

子育てを『まちで』プラスに|こまちぷらすインタビュー

こまちぷらす-ロゴ

インタビューのご協力、ありがとうございました!

きふるでは、「なぜその課題に向き合おうと思ったのか」「なぜ寄付をするのか」といった支援者の想いを知ることで共感を生み、支援の輪が広がっていく考えております。

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