視覚障害者の外出をテクノロジーでサポート「VIBLO by&HAND」点字ブロックをアップデート!

視覚障害者の外出をテクノロジーでサポート「VIBLO by&HAND」点字ブロックをアップデート!

2018年11月「LINE BOOT AWARDS」「超福祉展」で発表され、各所で話題になった視覚障害者向け新サービス「VIBLO by &HAND」。

そんな未来の点字ブロック「VIBLO by &HAND」の体験イベントが2018年12月4日にWeWorkアークヒルズサウスで開催されました。

 

今回は、移動を「声」でサポートし視覚障害者の未来を変える、「VIBLO by &HAND」についてご紹介します。

視覚障害の人はどんなことに困っているの?

まずは視覚に障害を持った人達は、いまどんな課題を抱えているのでしょうか?

視覚障害を持った人達45人にきいた、「外出するときに感じている課題」を見てましょう。

障害-外出のさい感じている課題

「視覚障害者の外出や点字ブロック、利用デバイス」に関するアンケートより、筆者作成

84%もの人が、「方向があっているか不安になる」と回答。

60%の人が「目的地の位置方や事前の調べごとが大変」「手助けを求めても人がつかまらない」と回答しています。

 

また、視覚に障害を持つ方が駅のホームから転落、なんて悲しいニュースもたびたび耳にしますね。

視覚に障害を持つ人のうち、ホームから転落しそうになった人は65%実際に転落したことある人は39%もいるとか。

このように視覚に障害を持つ方にとって、外出はいつも危険と隣り合わせです。

 

Etty
えってぃー

始めていく慣れない場所だと、なおさら不安ですよね。ちょっとした外出でいつも誰かについてきてもらうなんてこともできませんし

その結果、一人で外出することに億劫になってしまい、「リフレッシュのために散歩ができない」「気になるお店に1人で行けない」といった声が上がっています。

 

視覚障害といっても、見え方は人それぞれのため一概に言うことはできませんが、多くの方が点字ブロックと白杖を使って街を歩きます。

ところがこの点字ブロックもまだまだ完璧ではありません。

「警告ブロック(危険箇所を示す点が並んでいるブロック)が意味する内容が分からない」

「自転車で点字ブロックが遮られている」といった声が当事者からあがっており、社会インフラとしてはまだまだ十分ではありません。

VIBLO by &HANDはどんな仕組み?

そんな問題を解決するために作られたのが、次世代型点字ブロック「VIBLO by &HAND」

障害があっても一人でも外出ができ、より自分らしく、より豊かな生活を送ることができるようになるサポートをします。

 

使うものは、スマートスピーカー「Clova」、オープンイヤーヘッドセット「Xperia Ear Duo」、そしてLINEアプリです。

道にある点字ブロックをあらかじめ、発信機(LINE Beacon)の内臓されたVIBLO BLOCKにしておきます。

ブロックには設置されている場所の情報が登録されており、ユーザーが近づくと、スポット情報と次のVIBLO BLOCKまでの道を教えてくれます。

VIBLO-使い方

参考:&HAND公式ホームページ

  1. Clova(スマートスピーカー)で「VIBLOでお出かけ」を立ち上げ、目的地を設定します
  2. 目的地へのルート上にあるVIBLO BLOCKが設定されます
  3. 「Xperia Ear Duo」(イヤホン)を装着し、スマホをもってお出かけしましょう
  4. VIBLO BLOCKに近づくと、スポット情報がLINEに届きます
  5. LINEにとどいたスポット情報を「Xperia Ear Duo」(イヤホン)で読み上げ、確認しましょう
  6. 目的地に到着したら、Clova(スマートスピーカー)でお知らせしましょう

 

自宅にいる家族も、Clova(スマートスピーカー)に呼びかけることで、視覚障害を持った方がいまどこにいるのかを確認することができます。

万が一ブロックを外れてしまっても、LINEのビデオ通話機能をつなぐことで、正しいルートに戻るアシストができます。

このようにして、視覚に障害を持った人でも、一人で外出をすることができるようになります。

 

Etty
えってぃー

使用しているのはオープンイヤーのイヤホンなので周りの音も聞くことができます。家にいる家族に居場所がわかってしまうのはちょっと怖い気もしますが……笑

VIBLO by &HANDはどんな人たちがつくったの?

PLAYERS

PLAYERS(プレイヤーズ)は「一緒になってワクワクし 世の中の問題に立ち向かう」をスローガンとし、さまざまなプロフェッショナルからなるコ・クリエーションチーム。

メンバー全員がプロボノ(専門知識や技能を生かして活躍するボランティア)として活動しています。

 

一番初めに開発された「スマート・マタニティマーク by &HAND」はスマートフォンアプリ「LINE」を活用して、手助けをしたい人と、してもらいたい人をマッチング。

「スマホに夢中で妊婦さんに気がつかない」「譲りたくても妊婦かどうかわからず声をかけられない」

「席を譲ってほしいとはなかなか言い出せない……」

この問題を解決するツールとして、「やさしさを見える化する」をコンセプトに生まれました。

 

Etty
えってぃー

スマホを見ているから困っている人に気が付かないのであれば、スマホを使って解決してしまおうという逆転の発想がおもしろいですね

 

はじめは妊婦向けのサービスでしたが、妊婦だけではユーザーが限られます。その後、車椅子ユーザー、視覚障害者、聴覚障害者など、さまざまな困難を抱える人達が使えるサービスの開発をすすめてきました。

 

視覚障害者向けは、今回体験会が行われた「VIBLO by &HAND」と同時並行に、「mimamo by &HAND」プロジェクトが進んでおり、2018年度内に首都圏の駅でJR東日本と共同での実証実験の実施が決まっているそうです。

mimamo by &HAND」とは視覚障害者の駅での移動を、みんなでサポートする仕組み。

「駅だけでなく、街をフィールドにすることはできないか?」と、点字ブロックをアップデートする「VIBLO by &HAND」がうまれました。

 

Etty
えってぃー

視覚障害者が直面しているトラブルは駅だけではありません。点字ブロックという形でサポートが街中に広まっていくことで、一人での外出がしやすくなりますね

参考:&HAND / アンドハンド公式ホームページ

株式会社WHITE

株式会社WHITEは、テクノロジーとクリエイティブの力で、世界が変わる体験をつくるイノベーションデザインカンパニー。

アプリケーションの開発からVUI(音声ユーザーインターフェース)サービスのコンサルティングまで、音声インターフェースにおける新しいユーザー体験の創出を支援しています。

日本市場でスマートスピーカーが発売される前から、米国市場向けの音声アプリを自社開発してきました。

VUI(音声ユーザーインターフェース)開発を得意とする株式会社WHITEが「&HAND」の考えに共感し、「VIBLO by &HAND」の共同開発が実現しました。

 

Etty
えってぃー

VUIの強みは「ハンズフリー、アイフリー、ラーニングフリー」。

手が使えない人、目が見えない人、使い方を学習するのが苦手な人でも簡単に使うことできるので、どんな人も使いこなすことができますね。

編集後記

一部の人向けの商品のままだと市場は限られてしまいます。

例えば、片手を失っている人だけに商品を開発するのではなく、ケガで一時的に両腕を使えない人、子供と手をつないでいて両腕を使えない人、荷物をたくさん抱えていて両腕を使えない人……と使うであろうユーザーを広げていくことが、社会に浸透するカギであると感じます。

マイノリティにとって使いやすいものは、すべての人にとって使いやすいもの。

LINE Beaconを使ったサポートシステム「VIBLO by &HAND」も、視覚に障害を持った人だけでなく、日本語がわからない旅行者なんかも使ってもらえそうですね。

 

Etty
えってぃー

障害者をきっかけとして、すべての人にとって心地のいい社会がつくられていく。これからの展開がたのしみです!

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