母親、そして新しい小さな命を守る|ADRA Japan

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妊産婦死亡率

WHO(世界保健機関)が公開したこの事実。

 

真実

参考:WHO公式ホームページ 

公開日時:2018/02/16
閲覧日時:2018/10/17

筆者訳

主要な事実

・毎日約830人の女性が、妊娠と出産に関係する予防可能な原因で命を落としています。

・妊産婦死亡の99%が途上国で発生しています。

・妊産婦死亡率は、農村部の女性や貧しい地域の女性のほうが高くなっています。

・若い年代の女性は、他の年代の女性よりも妊娠に伴う合併症や死亡のリスクが高くなります。

・出産前、出産中、出産後、きちんとした処置を施せば女性や新生児の命を救うことができます。

・1990年から2015年にかけて、世界の妊産婦死亡率は約44%低下しました。

・持続可能な開発目標の一環として、2016年から2030年の間に世界の妊産婦の死亡率を10万人に対し70以下に減らすことを目標としています。

 

 

毎日約830人

これだけの妊産婦が何らかの理由で命を落としています。

予防可能な原因とありますが、一体どういった原因なのでしょうか。

日本では、2018年9月頭にこのニュースが話題になりました。

 

読売_記事

参考:妊産婦の死因、3割は自殺…産後うつが影響か/YOMIURI ONLINE

 

 

日本では、妊産婦の死因は悲しい事に自殺が1位となりました。

筆者は妊娠、出産を経験したことがないため、自ら命を絶った妊産婦の気持ちは計り知れません。

妊娠、出産を経験した本人にしか分からないことです。

 

これに関連して、マタニティーブルーに関連する記事も公開しておりますので、よかったら読んでいただけると幸いです。

プレママ・プレパパ必見!マタニティーブルーについて調べてみた

ちなみに世界的に見てみると、

 

115カ国、6万人以上の妊産婦の死因に関するWHOの研究では、妊娠する前から患っていた病気(糖尿病、マラリア、HIV、肥満など)が、妊娠によって悪化したことに起因する死亡が、全体の28%を占めていたことを示しています。

その他の妊産婦の死因とその割合は、

出血多量(主に出産中および出産後)27%
妊娠高血圧症14%
感染症11%
停止分娩やその他の直接的な原因9%
中絶による合併症8%
血栓(塞栓症)3%

参考:ユニセフ公式ホームページ
公開日時:2014/05/06
閲覧日時:2018/10/17

となっています。

 

また、出産する時には清潔、衛生的な環境が必要になってきます。

妊娠中、出産時の衛生環境が悪いと、器具などの細菌から合併症を引き起こす可能性も高まります。

 

発展途上国の妊産婦の衛生環境

 

日本の出産環境の良さは世界一と言われています。

もちろん、評価の仕方は個人によって異なりますが、技術、妊娠中のサポート、産後のケア、衛生環境、情報の多さが世界からも評価されている証拠ですね。

では、発展途上国の出産環境は一体どういったものなんでしょうか。

 

街から離れた農村部や、貧困地域で暮らしている女性は、適切な保健医療を受けることができる可能性がかなり低いです。

下記の原因が挙げられます。

原因

 

参考:WHO公式ホームページ

筆者訳

・貧困

・距離

・情報の欠如

・不十分なサービス

・文化習慣

 

です。

一つ一つ見て行きましょう。

・貧困

そもそも病院に行くお金がないため、出産の知識もないまま一人で家や小屋で出産する女性が多いです。

安全に出産できる環境が整っていない場所での出産は、非常にリスクを伴います。

衛生環境もよくないため、合併症のリスクも高まり、赤ちゃんの命が大変危険です。

 

・距離

農村部には、安全に出産できる施設が近くにないことが多いです。

近くといっても、車では通れないような険しい道のりを4時間も歩かなければならなかったりする場合が多いです。

破水がいつごろくるかなんて、当然分からないことです。

そのため、出産を控えたお母さんにとって長距離の移動は危険を伴いますし、大きなお腹を抱えての移動は体力を大幅に消耗します。

そのため、遠くの病院に行くことを諦め、自宅などで出産を余儀なくされる女性が多いです。

 

・情報の欠如

ネットの時代になっても、ネット環境が十分ではない地域がまだ存在します。

確かな情報を得ることがないまま出産を迎える女性も少なくはありません。

正しい知識がないため、へその緒をガラスの破片などで切断し、そこから合併症を引き起こす場合もあります。

 

・不十分なサービス

発展途上国のサービスは、産後のケアが不十分なことが多いです。

例えば、日本の場合は出産してから退院するまでの間、看護師さんが授乳のやり方やお風呂の入れ方を教えてくれます。

また、産後の身体に合わせた食事なども用意してくれます。

実際のところ、日本のこの手厚いサービスは「素晴らしい!」という意見と、「入院が長い」、「費用が高額」という意見もあります。

発展途上国の場合は、日本のような手厚いサービスはなく、出産したらすぐに退院し、赤ちゃんのケアなども自分で勉強します。

 

・文化習慣

出産の文化も国によって異なります。

本当に様々で、日本の場合は産後1週間前後は入院しますが、海外の場合は体力の消費が少ない麻酔を用いての無痛出産が一般的な国もあるため、早ければ出産したその日に退院するお母さんもいます。

また、水中で出産する国もあれば、無料で出産できる国もあります。

 

また、中絶に関してお話しすると、世界には中絶することが法律で禁止されている国もあります。

そのため、闇医者から適切でない違法の手術を受けたり、安全が保障されていない闇市場で購入した中絶薬などを服用して身体に危害が加わり、命を落とす女性もいます。

また、途上国では衛生的ではない方法で中絶手術が施されている国もあります。

 

ADRA Japanの取り組み

お産センターを建設

ADRA Japanは、途上国や農村部に暮らしている女性も、安心して出産できるよう、ネパールのダイレク郡に半年以上かけてお産センターを建設なさったのだとか。

車が使えないため、ミュウという動物で機材を運搬したり、ミュウも歩けないような場所では、人力で一歩一歩機材を運んだそう。

運ぶ人

参考:ADRA Japan公式ホームページ

 

この写真は、お産センターの建築資材を2日かけて運ぶ人の画像です。

 

足場が悪い崖路を歩くのは、この上ない過酷さだったことでしょう。

それでも、安心して出産できる環境を作るというADRAJapanさんの強い思いが感じられますね。

 

人材教育も

さらにそのお産センターには、衛生的な器具を揃えており、さらには出産の介助ができる人材の育成も行っています。

お産センターが完成してから、1年間で500人近くのお母さんが出産したそうです。

 

今までは、自宅や小屋などで危険な状況で出産しなければならなかったお母さんたち。

お産センターができたことで、精神的にも身体的にも安心で安全な出産ができるようになりました。

マヤさん

上の写真は、出産介助士のマヤ・スナールさん。

マヤさんは言います。

「ここで生まれる子どもが初めて見る、感じる景色がお産センターであり私です。

この世界に生まれてきてよかったと思ってもらえるような環境を整え、きちんとした仕事をしなければいけません。

以前は高度な出産技術もなく、感覚だけで出産介助をしていました。

でも、ADRAの出産介助研修を受けてからは赤ちゃんが仮死状態で生まれてきた時に母子を救うための対処や、通常分娩以外の出産への対応もできるようになりました。

ADRAの支援のおかげで、出産介助に必要な備品もそろいました。

出産介助師として、自分の住む村のディディとバヒニ(ネパール語でお姉さん、妹さんの意。親しみを込めて、家族以外にもこう呼びかけることがある)の健康を守るためにも、責任をもって仕事に取り組んでいます。」

参考:CANPAN FIELDS/ADRA Japan/ブログ

 

お産センターで出産したお母さん、さらには出産介助師の方のこんなに嬉しい声を聴くことができるなんて。

もっとこんな嬉しい声を聴きたいですね。

これからこの世に生まれてくる小さな命のために。

今私たちができることはなんでしょうか。

 

 

参考までに、ADRA Japanさんの活動動画です。

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